レスター・ブラウンの環境学

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今年もデパートなどで、クールビズとか称する夏服が宣伝され始めました。
わざわざ熱のこもりやすい機密性の高いオフィスで涼しく過ごす?なんて、
この経済優先の文明は、どこまでも偏執的で融通が利かない奇妙なものです。
その点むかしの日本人は、住居そのもの、生活スタイルそのものが夏向きで、
外気に開け放たれた居住空間は、そのまま社会の風通しの良さでもありました。
夏にわざわざダークスーツを着て仕事をするなんて、阿呆としか思えません。

そんなお役所の人たちが考える地球温暖化の防止だから、ズレた感覚で、
原子力発電なら二酸化炭層の削減になると、奇妙な感覚がまかり通ってしまう。
地球温暖化のリスクと放射能汚染のリスクを、天秤に掛けて何になるのか?
僕らは自然な感覚としてどちらもイヤだし、それは十分可能な選択なのです。
そんなことは、少しは環境問題に関心をもっている人ならみんな知っています。
環境を壊さない社会の実現は、すでに技術も方法もできてきているのだと。

それでは今、どうして環境にやさしい社会が実現しないのかと考えたとき、
環境学者レスター・ブラウン氏は、広める努力の足りなさだと指摘されます。
彼は昨日もNHKの「クローズアップ現代」に出演して、環境革命を訴え、
特に日本は、技術力が進んでいるのに、社会体制が遅れていると意見された。
社会体制の遅れとは、いまだに経済優先の税制で環境問題に対応していない、
その税金の使い道においても、相変わらず経済成長優先のことを差しています。

すでに日本国内でも、多くの市民活動によって環境問題の本質が指摘され、
自然環境をどのように守っていけるかは、選択可能なプランにのぼっている。
レスター・ブラウン氏はそれを「プランB」として啓蒙され続けているのです。
彼は現在来日中で、精力的に活動されており、今月30日には日本経済新聞に、
6月4日にはテレビ東京「WBS」、5日には同じく「ガイアの夜明け」に、
それぞれ意見を発表される予定のようなので、注目していたいですね。

ただこのような環境保護技術の話や、経済優先の社会体制に対する問題指摘は、
すでに環境保護を考えている多くの人によって発言され続けているのですが、
自分で物事が判断できない多くの住民と、それに支えられたお役人たちは、
草の根的な市民活動の言うことなど、まったく聞く耳を持たないのが通常です。
それでも、世界的な著名人の発言となれば、あわてて勉強してくれることもある。
恥ずかしい話ですが、それでもいい機会だから、学んでいただきたいものです。

レスター・ブラウン「プランB2.0―エコ・エコノミーをめざして」は(↓)こちら。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4948754242?ie=UTF8&tag=isobehon-22