50年が過ぎても

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日本人の男女格差や、男中心の性意識ってやつは、
実に深く根ざしており、半世紀前と変らないところがある。
もちろん男女平等に関する法律は、いくつも出来たし、
以前のような不平等は、表面的には解消されてきてはいる。
だけど最近のニュースを見ていても、首をかしげるものは多いし、
女性性やSEXや子どもが、今も固定概念で縛られている。


去年から気になったニュースは、三つあるのですが、
その第1番目は、学校での性教育の話しでした。
2番目に気になったのは、避妊方法の話しで、
日本ではアフターピルが、認められていないってこと。
3番目は子どもの性被害に対して、裁判所が、
男の都合良いような判断を、しているって話しでした。


1番目の性教育に関しては、昨年3月に東京足立区の学校で、
「性交」「避妊」「人工妊娠中絶」といった言葉が使われ、
これが都議会で問題になって、訴訟にまでなっている。
僕は五十数年前の中学生の時に、自分が知った性行為のことを、
一つ年下の女の子に話したことで、相手の親に怒鳴り込まれ、
大変な思いをしたことを、今でもはっきりと覚えています。


学校で教えなくても、子どもたちは好奇心が一杯なので、
いろんな方法で知ろうとするし、知識は確実に入ってくる。
自分としては、間違ったことを教えたのならまだしも、
本当のことを教えたのに、何故怒られたのか理解できなかった。
「知らない方がいい」なんて、都合の良い教育では、
問題は明らかにされないから、解決なんかあり得ません。


2番目の避妊方法に関しては、コンドームしかないと言われ、
それは基本的に男の責任だから、男が主導権を持っている。
女性は男性が避妊してくれないと、妊娠の可能性が高くなって、
そのリスクを避けるには、性交しないことを善しとする。
僕はむやみに性交することを、奨励する気はないけど、
妊娠するのは女性なのに、避妊を男にだけ期待してはおかしい。


そう思っていたら、海外ではアフターピルが使われ、
多くの国々で、コンドームよりもアフターピルが主流だとか。
実際に考えてみても、恋愛関係の男女が性交するかしないかは、
あらかじめ「する」と決まっているのは、少ないはずです。
お互いの気持ちを大切にするなら、性行為のあとでこそ、
避妊すれば良いし、女性の主体性が守られるというものです。


そして3番目の件ですが、十代の性被害において、
「物言わぬ」被害者の人権擁護は、法律でこそ大切です。
それなのに日本では、物言う女性たちこそ守られるのですが、
物言わぬ子どもたちは、大人の言いなりになるしかない。
女性や子ども人権に関しては、日本は国際的にも法整備が遅れ、
その法に忠実なだけの判決では、人権は守られるはずがない。


中学生の頃から、繰り返し父親からの性被害を受けた事件は、
判決としては無罪となりましたが、多くの人は疑問に思っている。
被害女性が裁判に踏み切ったのは、19歳になってからで、
それまで何年もの間、彼女は父親を訴えることさえ出来なかった。
それが「抵抗しようと思えばできたはず」、と言う理由で、
この父親は無罪となり、何も問題はなかったことになったのです。


百年前に比べれば、女性は自由になったのでしょうが、
世界的に見るなら、まだ日本の女性の人権は低い位置にある。
この数年に、黙っていない女性たちが増えてはいますが、
それさえも国際的に見れば、まだまだ男の理論が中心です。
これからの時代を考えると、これで良いとは思えないし、
男女がもっと自由に恋をする、社会になって欲しいと思います。