「昭和天皇100の言葉」

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今朝農作業をするために、馬畑にいたところ、
緊急情報とかで、北朝鮮のミサイル報道がありました。
そこでかの大戦を経験された、昭和天皇の言葉を集めた、
昭和天皇100の言葉」を、思い出したのです。
この本に紹介された言葉は、優れた人間の叡智に満ち溢れ、
多くの人に知って欲しいので、ここに紹介しておきます。

「元来軍人の一部には戦争癖がある。
 軍備は平和の為にすると口にしながら
 軍備が充実すると、
 その力を試してみたくなる悪い癖がある。
 これは隣人愛の欠如、日本武士道の退廃である。」

現代の日本においても、平和を唱えて軍備が拡張されていますが、
この発言は1928年の、関東軍による満州での張作霖暗殺や、
1931年の満州事変など、軍部の暴走に対して言われたものです。
昭和天皇は、そのほかの言葉から見ても戦争には反対で、
軍部の暴走を苦々しく思っていたことが、随所にわかります。

「先ず我が国の国民性について思うことは
 付和雷同性が多いことで、これは大いに改善の要があると考える
 (略)
 かように国民性に落ち着きのないことが、
 戦争防止の困難であった一つの原因であった。
 将来この欠点を矯正するには、
 どうしても国民の教養を高め、
 また宗教心を培って確固不動の信念を養う必要があると思う。」

戦前と戦中には、自分の主義を捨てて軍部の主戦論付和雷同した者が多く、
終戦後は共産党の主張に付和雷同する人間が多いことを取り上げ、
多勢の空気に従う日本人の気質は、戦前も戦後も変らないと指摘される。
この付和雷同の気質によって、理性的な発言は却下され、
一方向へ突き進む日本人を、戒めての発言だと思われます。

「銃剣によって、または他の武器の使用によって、
 永久平和が樹立かつ維持されるとは考えられない。
 勝利者も敗北者も、武器を手にしては、
 平和問題は解決し得ない。
 真の平和は自由なる
 国民の協力一致によってのみ達成される。」

戦後まもなく、ニューヨークタイムズのインタビューによって、
「最新兵器の出現が将来の戦争を無くするとお考えになりませんか」
と聞かれたときの答えがこれで、武力による解決がないことを、
ここでも明確に言い切っているのが、昭和天皇ご自身の考え方と思われます。

「雑草という草はない。
 どんな植物でもみな名前があって、
 それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。
 人間の一方的な考え方で、
 これを雑草として決めつけてしまうのはいけない。」

天皇家は昔から、農作業を大切にして実践されいますが、
自然そのものに対しても、深い洞察を持って大切にされています。
自然農ではありませんが、草や虫を敵とせずに共存共栄を良しとして、
皇居の庭園でも、むやみに除草することを嫌われたそうです。

こうした昭和天皇の考え方は、現在の平成天皇にも受け継がれて、
政治家のやることを、苦々しく思われていることも多いと聞いています。
最後に一つ、日本が戦争に勝ち続けて、アジアに大東亜共栄圏を唱え、
侵攻していくのを諫める為に、こんな発言があったことを紹介して終わります。

「指導的地位はこちらから押し付けても
 できるものではない。他の国々が日本を
 指導者と仰ぐようになって初めてできるのである。」