トランプ氏に投票する市民

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今年のアメリカ大統領選挙は、いわゆる専門家の予想を大きく裏切って、
最初は泡沫候補とさえ言われたトランプ氏が、共和党候補になりそうな気配です。
マスコミの報道を見る限りでは、ハチャメチャとさえ見えるトランプ氏が、
どうしてこんなに支持を得ているのか、考えてみると面白いですね。
そもそもトランプ氏とは何者で、どんな人の支持を得ているのかと考えると、
彼はビジネスカレッジ出の実業家で、政治に絡む利権グループの一員ではない。

今回の選挙に出馬している人は、民主党クリントンやサンダースにしても、
共和党のクルーズやケーシックにしても、かなりしっかりとした政治のプロです。
それぞれの主義主張は違うとしても、既存の政治利権の輪の中にいて、
その利権の恩恵に預かっている人たちの、中心にいる人物という点で同じです。
そして有権者たちは、そうした利権でつながっているような政治家というものに、
すっかり嫌気がさしているから、利権と無関係な人を大統領にしたい。

はっきり言って、それがトランプ氏でなくても良かったのでしょうが、
ほかに利権と無関係な人は立候補していないのだから、彼を選ぶしかない。
そうした消極的な選択によって、選ばれている意味合いが強いと思われますから、
彼には政治能力がない、などと言ったキャンペーンは意味をなさないのです。
反トランプ氏の輪ができても、それが既成政治利権の仲間の輪だと見抜かれて、
どこまで行っても、トランプ氏の勢いを止めることはできないのです。

このまま行けば、最後はクリントン氏VS.トランプ氏の一騎打ちになって、
大方の予想を裏切って、トランプ氏が大統領になる可能性が結構高い。
なにしろ民主党支持者の中にだって、既成権益を腹立たしく思う人はいるから、
政治思想とは関係なく、利権と無関係なトランプ氏を支持する可能性があるのです。
トランプ氏が大統領になっても、アメリカ独裁政治は変わらないでしょうけど、
今までの価値観が変われば、何がどう動くかは不透明になってくる。

日本としては、この期に不平等をなくす準備をしておくべきでしょうが、
それは市民が考えることであって、自民党は戦争準備に余念がありません。
あるいは官僚が考えているかもしれませんが、政治家はどうでも良さそうで、
今年の参議院選挙では、政治家が創り出した問題の解決策を巡って議論している。
政界とグルの経済界がつるんで、もうけることばかり考えているから、
やがて日本の有権者も、トランプ氏のような人物に期待するかもしれません。

だけど日本人は、アメリカ人のように自由な考えで行動しない人が多いので。
せいぜい仲間同士で愚痴を言い合い、政治行動は起こさないでしょう。
「政治とはこんなものだ」みたいな達観で、本当は支持しない人に投票する。
票田と言われる支持層が大きいか小さいかで、大方の得票率は決まってしまい、
マスコミの言うままに、ムードで誰にでも投票してしまうのです。
さてこんな日本でも、トランプ氏のような政治家は出てくるでしょうか?