ロドリゴ・ドゥテルテ大統領

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フィリピンの新しい大統領、ロドリゴ・ドゥテルテが来日しています。
アメリカのトランプ氏が暴言を吐くのをもじって、フィリピンのトランプ、
などとも言われていますが、ドゥテルテ大統領は口先だけではない。
彼が長年市長を務めたダバオでは、自警団組織が超法規的措置によって、
麻薬にかかわる人々を追い詰め、射殺することもいとわないのです。

当然ながらこうした行為に対しては、アムネスティ・インターナショナルから、
「超法規的な処刑から国民を守るため、必要な措置を取ることを求める」として、
人権蹂躙を強く非難していますが、ドゥテルテは逆に国連脱退をほのめかす。
こうした行為が、例えば選挙用のこけおどしではないところが凄いので、
世界中の注目を集めているし、フィリピン国内では圧倒的に人気があります。

しかも彼は、アメリカのトランプに氏と同じように扱われることを嫌って、
「トランプ氏は偏見の塊だが、自分は違う」と公言してはばかりません。
アメリカの大統領候補の中では、サンダース候補が好きだと言うあたり、
しっかりした見識も備えており、単なる暴言を吐く人物でもなさそうです。
もしかすると自分への注目を計算して、外交しているのかもしれない。

ちなみにサンダース氏を紹介するなら、彼はクリントンに負けはしましたが、
州によってはかなりの接戦で、事実上これが大統領選挙だったという人もいた。
アメリカにしては珍しく、社会民主主義の政策を掲げる人であったので、
これは明らかに大きな時代の流れがあった、と見ることができたのです。
そのサンダース氏を好きだというあたり、ドゥテルテの今後が楽しみです。

この大統領が日本に来て何を言うか、多くのマスコミが注目しており、
今までのフィリピン大統領に対する関心とは、桁違いの注目と言っていい。
しかも日本に来る前には、中国へ行って主要人物と会談しており、
アメリカ軍はフィリピンを出ていけ、と息巻いているのも興味深い。
それでいて日本には感謝を伝えに来たと言って、日本びいきぶりを示す。

まだ当分の間、彼が次に何を言い出すかは未知数ではあるけど、
フィリピンから麻薬を撲滅すべく、あらゆる手を尽くすことでしょう。
フィリピン共産党創始者が、彼の大学時代の恩師であったりしますから、
中国訪問も計算づくだと思われるし、日本との連携を深めるのも本気でしょう。
まずは麻薬戦争に勝つことで、彼の意志はますます本領を発揮しそうです。