俯瞰でわかること
自然農をやり始めてから、ずっと気になっていたことが、
最近の新しい技術によって、少しわかるようになってきました。
それは十分農薬を使った田んぼには、あまり鳥が来なくて、
減農薬の田んぼには、たくさんの鳥が来るのは何故なのか?
鳥たちは基本的に、空から田んぼを見ているだけなのに、
なぜ何が分かって、そんな行動を取るのか不思議だったのです。
基本的には、えさになる虫や生き物の量が違うのだと思うけど、
もしかしたらそれだけではない、もっと様々なことが上空から分かる。
そうでなければ、どうしてその田んぼを選んで降りてくるのか、
一つ一つ田んぼに降りて調べないと、虫の量なんか分からないはず。
そう思っていたところへ、ドローンを使った米作りの情報を見て、
なるほど上空から見るだけでも、多くのことが分かることを知りました。
上空から田んぼを見て分かるのは、まずその稲の色なのですが、
例えばその色を5m毎にモニターして、写真の地図が得られます。
そしてこの地図を利用して、基本カラーマーカーと照らし合わせると、
養分の過不足が分かり、追肥の必要な箇所が簡単に分かるわけです。
さらに対応すべき稲の倒状リスクや、単位面積の収穫量予測に加えて、
タンパク質含有量による、食味まで分かってしまうのです。
なるほどこれなら、不必要な肥料や農薬は使わなくていいし、
コストが見合うものなら、僕らの自然農にだって利用できるかも。
いやいや僕らの自然農の場合は、経済活動すべてを俯瞰しますから、
こうした活動の負の側面も分かるので、利用したいとは思わない。
だけど普通の近代農業であれば、利用する価値は十分にあるし、
これによって得られるメリットは、大きなものがあると思われます。
こうした試みは、以前から衛星を使っても可能だったようですが、
その場合は天候による不具合があったり、費用が掛かって意味が無い。
しかしドローンなら、十分に費用コストに見合う増収があるので、
挑戦する価値は高いし、個人でも導入できるそうなのです。
今後はどこまで高い精度のモニターができるか、安価にできるか、
課題はあるでしょうが、将来に向けて抑えておく価値はあるでしょう。
僕らの自然農による田んぼには、様々な鳥がやってきますが、
鳥たちの目から見た自然農田んぼは、どんなふうに見えているのか。
自然環境を大切にすることで、どんないいことがあると言うのか、
人間の都合だけではなく、鳥やそのほかの生き物の判断も仰ぎたい。
自動車がエンジンの音から解放されて、静かになったように、
やがてドローンも鳥のように、静かに飛べるようになればいいですね。
参考サイト