今も増え続ける被曝者!

僕もスタッフ参加させていただいている、東京平和映画祭、
その主催グループである『東京ピースフィルム倶楽部』
事務局の浅野さんから、転送歓迎のメールが届きました。
中に出てくる書籍著者の藤田祐幸さんは、僕も何度か話を聞いて、
人間的にも信頼できる人であることは、間違いありません。
メールは長いのですが、全文を転載しておきます。

以下、転送大歓迎!
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今年の第6回東京平和映画祭で『隠された被曝労働』(26分)を
上映しました。その映像は短いですが、とっても衝撃的です。
原子力発電所」いわゆる「原発」と言えば・・・事故とか?排煙とか
温排水も気になりますが、それ以前に被曝している人々たくさんいる
現実を映像で目の当たりにし、気がかりでなりません。

『隠された被曝労働』は、グーグルビデオでも観られます!
http://video.google.com/videoplay?docid=4411946789896689299
1995年にイギリス・チャンネル4で放映されたが、日本のメディアは、
一切無視した映像です。それには訳が・・・

この映像を上映する際に送られて来た1枚の資料の解説文を
みなさんにもお伝えしようと思い、ここに書き写して送ります。
※若干資料が古いので、既に合併されてる会社名などがありますが、
 当時の社名をそのまま掲載しています。あしからず・・・
 ただ、被曝労働状況は変わりないでしょう。

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 ~原爆被爆国日本に、刻々と新たな被曝者が加わり続ける~

       >>>>>原発被曝労働<<<<<

原発被曝労働者にとって、被曝することはそれ自体が労働の本質で
ありノルマですらある。原子力産業はある一定の労働者が死んでいく
ことを前提にして存在する。労働者の使い捨てによって成立していると
言っても過言ではない。被曝労働者は生きているかぎり発病の中で
無権利状態に放置され、その実態は、あたかも現代社会の恥部で
あるかのごとく闇の中に隠されている。
藤田祐幸「知られざる原発被曝労働」岩波ブックレットあとがきより

◆差別の上に成り立つ原発
下請け労働なしに原発は動かない。
電力会社を頂点とした原発労働形態は、石炭産業から続く前近代的
なものであり、それは、そのまま、差別と搾取の象徴とも言えるだろう。
ひ孫請、親方ぐらいまでが、主に技術者で、それ以下が、技術作業員
の作業場所の放射能をふき取ったりする除染作業員である。除染作業
には、放射線で汚れた服を洗濯する作業(ランドリー)も含まれる。電力
社員の被曝量は、全体の5%にしかすぎない。のこりの95%は下請け
労働者へ課せられ、さらに最下層の労働者ほど多くの被曝を強いられ
るという、差別の重構造が存在する。危険は常に弱いものへとしわよ
せされる。そういう人たちが行う、雑巾がけやランドリー、機器の点検や
修理、廃棄物処理作業など、300種類にもおよぶ手作業がなければ、
原発は1日たりとも動かない。今、この瞬間にも6万人の人たちが被曝
しながら働いている。コントロールルームの人たちが原発を動かして
いるわけではないのだ。

◆この実態が報道されない訳
日本の原発は、東海1号以外はみんなアメリカから入ってきた。その
ルートは、というと世界の2大財閥、モルガン、ロックフェラーからG・E
ゼネラル・エレクトリック)、W・H(ウェスチング・ハウス)を通して、
日本の財閥の三井、三菱、住友へ、そして、系列のプラント会社を
経て各電力会社へとなっている。日本の原子力グループは5つあり、
その構成企業をみると、原子力産業の巨大さがわかる。マスコミに
とっては、大スポンサーばかりである。広告料で生きているマスコミが
原子力に物を言えない理由がここにある。

 ★モルガン/G・E→三井物産(沸騰水型)→東芝・日立
  日本原子力発電敦賀・東海)
  東京電力 柏崎・福島
  中部電力 浜岡
  中国電力 島根
  東北電力 女川
  北陸電力 能登(滋賀)

 ★ロックフェラー/W・H→三菱商事(加圧水型)→三菱重工
  関西電力 美浜・大阪・高浜
  九州電力 川内・玄海
  四国電力 伊方
  北海道電力 泊

原子力5グループ>
樋口健二著「闇に消される原発被曝者」(三一書房)より
(1)グループ名:三菱グループ     
    メーカー:三菱原子力工業 
    商  社:三菱商事          
  構成会社の一部↓    
         三菱重工業        
         三菱石油       
         三菱化成        
         三菱金属
         三菱銀行
         三菱信託銀行
         東京海上火災
         他・・・

(2)グループ名:三井グループ
    メーカー:東芝
    商  社:三井物産
  構成会社の一部↓
         東京芝浦電気                       
        
         石川島播磨重工                      
  
         三井造船
         三井信託銀行
         日本製銅所 
         清水建設
         大正海上火災
         他・・・

(3)グループ名:住友グループ    
    メーカー:住友原子力工業 
      商社:住友商事        
  構成会社の一部↓ 
         日本電気
         住友重機械工業
         住友金属工業
         住友電気工業
         住友銀行
         住友建設
         住友海上火災
         他・・・

(4)グループ名:東京原子力グループ    
    メーカー:日立製作所 
    商  社:丸紅        
  構成会社の一部↓                
         日立化成
         日立造船
         丸善石油
         サッポロビール
         富士銀行
         鹿島建設
         安田火災海上
         他・・・

(5)グループ名:第一原子力グループ     
    メーカー:富士電気工業 
    商  社:伊藤忠日商岩井          
  構成会社の一部↓ 
         富士通
         川崎重工業
         川崎製鉄
         宇部興産
         第一勧業銀行
         清水建設
         朝日火災海上
         他・・・

◆被曝限度
I.C.R.P.(国際放射線防護委員会)は、放射線に関する防護基準を
勧告してきた。最近の勧告では被曝線量限度は、切り下げられる
傾向にある。しかし日本では、今も年間50ミリシーベルトの被曝が
法律で認められている。

最近のI.C.R.P.の勧告(ミリシーベルト/年)
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         放射線作業従事者  一般人(公衆)
1977年勧告      50         5
1985年(パリ声明)  50         1
1990年勧告      20         1
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「知られざる原発被曝労働」P54表1

放射線管理手帳
労働者の毎日の被曝線量や健康状態を記入する手帳で、本来は
本人が持っていなければならないものだが、ほとんどは会社が一括
管理をしており、本人がこの手帳の存在すら知らない場合が多い。

※以上、もっと詳しい事を知りたい方は、フォトジャーナリストである
樋口健二氏の著書をご購読してみて下さい。
「闇に消される原発被曝者」(三一書房
原発被曝列島」(三一書房
原発と闘う-岩佐被曝裁判の記録」(八月書館)
「アジアの原発と被曝労働者」(八月書館)
「これが原発だ-カメラが捉えた被曝者」(岩波新書
「日本破壊列島」(三一書房

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また、上記の解説&図と樋口健二氏の写真展「原子力-平和の
中の戦争」から抜粋した12枚の写真と解説(ちょっと写真は小さくて
見づらい)が書かれたA3の資料のコピーを希望される方は、
下記の要領で返信用封筒を送っていただければ、そのA3資料の
コピーを送付いたします!

1.封筒に80円切手を必ず貼って、あなたの住所・氏名を書いた封筒
2.「原発被曝労働者」資料希望と書いたメモを書いた紙
3.1と2を別の封筒に入れて、郵便又はメール便で下記へ送る。
※到着次第資料のコピーを返信用封筒に入れて送付いたします。
 この資料をもっと多くの方々へ渡して下さい!
※送り先:〒289-2516 旭市ロ-783 浅野禎信 宛

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転送ここまで・・・文責:浅野禎信