低線量被曝容認との攻防

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昨年末にNHKが「低線量被曝 揺らぐ国際基準」を放映して以来、
政府の言う低線量被曝無害論に対して、いくつもの反論が出ています。
そうした動きを見て、原発推進者たちから新たな発言も相次ぎ、
1月12日には、経済界のそうそうたるメンバーが連名で、
日本放送協会会長に対して、抗議と要望の文書を提出しています。

その内容はこれまでと同じ、低線量被曝が危険だという証拠を示せ、
そうでないなら、これは非論理的で非科学的な事実誤認報道であるから、
このような一般視聴者に放射線の恐怖のみを煽るような、
“風評加害者”的報道を止めるように、強く要望する!と言うものです。

これだけ読むと、何か正しいことを言っているように聞こえますが、
彼らは原発を推進するに当たって、いい加減な安全を流布してきたから、
何が正しくて何が間違っているかを、判断できなくなっているのでしょう。
問題は、低線量被曝が危険だという証拠を要求する前に、
この新しい事態が安全であるという証拠を示す必要があるわけで、
提示された「安全」に疑問があるから、こうした番組があるのです。

世界に新しいものを導入するには、まず安全だと証明される必要があり、
その安全に疑問があれば、それだけで導入を拒否されても致し方ない。
これが長い人類史上における、生き残るためのルールなのです。
もしもこれが、危険だという証拠を見せない限り導入されるのであれば、
危険が証明されるのは、人類が莫大な被害を被った後になるでしょう。

そして実際に、低線量被曝に対する多くの実例は危ないものが多く、
政府や経済界が安全だという尻から、問題発覚が火を噴いているのです。
こうした報道は、民放の新聞テレビには滅多に流れないからこそ、
今回のNHKの放送は、ショッキングに思われたのでしょうが、
直接現場に接している人から伝わってくる情報では、珍しくもない。
むしろ、こうして大騒ぎする人たちの本性が見えてくるのです。

NHKは、さすがにこの程度の抗議で動揺することはなかったようですが、
抗議文の内容については、↓こちらのサイトでご覧いただけます。
http://www.engy-sqr.com/media_open/index.htm
ここに名を連ねている人たちが、利権がらみの肩書きを外したときに、
果たしてどこまで本気で、低線量被曝が安全だと言い続けられるのか、
たぶん利害関係がなければ、ここに名前を連ねることもなかったでしょう。

ついでにせっかくですから、低線量被曝の安全性に疑問を持つ人の一人、
東京電力社員で、福島第二発電所や本店原子力技術課で働いていた、
現在は医師の講演記録が公開されている↓ので、これも紹介しておきます。
http://onodekita.sblo.jp/article/53362278.html
原発や低線量内部被曝の真実を、わかりやすく解説された講演で、
全部で1時間半の講演を全部聞けば、原発問題の正体がわかります。

今日の写真は、福島原発爆発と戦略核爆発の様子を並べたもので、
この解説も、講演の中で詳しく出てきます。