天然麹カビ?

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米を収穫しているときに、必ず見かける不思議な玉。
古代米に多く、特に香り米(写真)には多い気がしますが、
これが味噌などに使う麹カビの、元の姿であると聞きました。
へえ~、なるほどなあ!と思って集めて撮った写真です。
これを培養すれば、それなりに使えるとか・・・

ネット上に、麹カビの情報はたくさんあるのですが、
さすがにこの玉のことを解説した記事は見つけられません。
これを具体的にどうすれば、麹菌として使えるのか?
やってみようとした人はいますが、うまく行った話は聞かない。
でも昔の人は、きっと自分でやってみたんでしょうね!
その成果が、今の市販されている麹菌なのでしょう。

米麹の学名は、Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリザエ)
と言って、oryzaeは米のことですが、Aspergillusの語源は、
カトリック協会の牧師が聖水を振りかける道具Aspergillumから、
米麹分生子の姿が、この道具に似ているから付けられたとのこと。
この玉に《お米の聖水》があるなんて、神秘的ですね~!

日本では、日本酒、甘酒、味噌、醤油、などに使うニホンコウジと、
ショウユコウジ、タマリコウジ、アワモリコウジは名前の通りで、
他に鰹節に使うグラウカスがあって、余分な脂肪を分解するとか。
このグラウカスをお腹に養えば、お腹に脂肪が付かないのかな?
日本食を食べていると太らない!なんて、食べ過ぎれば同じことか。
完二さんが、食べた分を動けばいいとおっしゃるのはごもっとも!

さてこの麹カビですが、もともと米に付いていると言っても、
そう簡単に活かせるものではないのか、種麹屋はとても少ない。
驚くことに、現在の日本全体で10軒しかないのです。
その一軒が、僕らの住む砺波平野の南砺市にある石黒種麹店で、
江戸時代中期より、家業として製麹業を続けられてきたようです。

種麹屋の起源は、およそ600年前の室町時代とのことで、
その当時、僕らの住む砺波平野の山際は朝廷の荘園でしたから、
すでに発酵食品を使う食文化が、始まっていたのかもしれません。
水が豊かで美味しくて、海の幸も山の幸も素材自体が美味しい、
そんな砺波平野だからこそ、最高峰の味わいも育まれたのか!
そう思うと、あらためて自然の豊かさを活かし守りたく思うのです。