リタ・マリエ 講演会

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コスタリカ平和部隊代表のリタ・マリエさんが、
高岡商工会館で講演をすると聞いて、参加してきました。
社民党結党10周年を記念しての講演会だったようですね。
マリエさんはコスタリカに平和省を作る活動をして、
その平和省構想は、現在コスタリカ国会で審議中だそうです。
通訳は、日本で平和省プロジェクトを進めるきくちゆみさんで、
ゆみさんは東京平和映画祭の発起人で、自然農人でもあり、
2年前の夏には、まみあなでお話をしてもらったこともある、
現在の日本では最先端の平和活動家と言える人です。

コスタリカと日本は、共に平和憲法を持つ国ですが、
実情どのように活かされているかを見ると大きな差があります。
コスタリカでは1948年に常備軍を廃止すると決めて以降、
隣国ニカラグアで内戦があった時期も含めて再軍備はしていません。
アメリカから援助するから軍隊を持つよう進められた時期にも、
大統領も国民も軍隊を持たない選択をしてきたということです。
平和は軍隊ではなく外交と平和部隊で作るという考えで、
近隣諸国に紛争が起きたときには、出向いて調停をし、
軍事力による解決には手を貸さなかった歴史を持ちます。

こうした実績の上に提唱された平和省構想は、今年実を結び、
国会に提案されて、実質審議に入っているという事です。
日本では戦争準備に向けて改憲を唱える人が首相になっており、
同じ平和憲法を持ちながらの、この違いに愕然としてしまいます。
それではどうしてコスタリカで平和政策が出来たかといえば、
一つには優れた政治家、アリアス大統領の存在が大きいでしょう。
アリアスはノーベル平和賞も受けたことがある平和の政治家で、
今でも国民の信頼はあつく、平和政策が支持されているとのこと。
これはまあ、平和に対する国民の支持の違いとも言えるでしょう。

平和による外交と政策にも問題は無いわけではなく、
特に隣国の政情不安による大量の移民問題も抱えていますが、
それさえも強引に取り締まるのではなく、平和学校を作って、
取り締まる警官や学校教育の先生さえ、平和教育を受けさせる。
つまり外交に留まらず、問題は力ではなく話し合いで解決する、
そのノウハウを伝授するのが教育の大きな使命になっているのです。
教育においてさえ、平和と共生を一番に考える思想が現れます。
たぶんどんな法律を持っていようと、それを運用する人によって、
社会は軍事国家にも独裁国家にも平和国家にもなるのでしょう。