「コスタリカの奇跡」

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~積極的平和国家のつくり方~、と副題がついた、
コスタリカの奇跡」を見ましたが、素晴らしかった。
何が素晴らしいかといって、地上に数ある国の中に、
これほど知性的な国民の国が、あることが素晴らしい。
1948年に国の常備軍を廃止して以来、今日までの間、
何度もアメリカの脅威に晒されながら、平和国家を貫いた。

コスタリカという国が、軍隊を持たない平和国家で、
教育、福祉、環境整備に優れた国だとは、知っていました。
しかし僕は漠然とながら、日本の事情を鑑みるあまりに、
他国からの武力脅威には、USAが対応すると思っていた。
ところが実際は、そのUSAだけが軍事的脅威であり、
この脅威にどう対応してきたかが、素晴らしかったのです。

軍事化を迫る一番の脅威は、イラク戦争におけるUSAで、
USAは強引に、アメリカに付くか敵対するかを迫る。
その時コスタリカの大統領は、粘り強く外交を重ね、
欧州諸国の承認を得ることで、中立国宣言をするのです。
これでUSAも、コスタリカを軍事化することを諦め、
コスタリカイラク戦争に、巻き込まれずに済みました。

また中南米で軍事活動をする、コントラが侵攻したときは、
国際司法裁判所に訴えて、国際世論を味方にして解決しました。
そして一番やっかいな、グローバル経済が侵攻してくると、
これに対抗する思想の候補が、大統領選挙に出て勝利している。
ここまで来れば、単に優れた政治家がイタだけではなく、
常に優れた政治家を選ぶ、国民の目の確かさが際立つのです。

比較したくはないけど、日本はどうなのかと考えると、
あまりにもお粗末な政治状況なので、憲法9条が恥ずかしい。
それにしてもUSAは、なんと酷い軍事国家であることか、
ソモサ軍とコントラを使った軍事作戦は、醜悪の極みでしょう。
この資金の出所がUSAで、軍はほぼ傭兵で出来ており、
当時のレーガン大統領は、テロリストとさえ言われています。

日本人は平和憲法を持っていながら、USAの属国であり、
膨大な軍事費を使って、自衛隊という名の軍隊を持っています。
そして何かことある毎に、軍隊の必要性ばかりを説いて、
コスタリカのように、非軍事的な解決が出来ていないのです。
さらに2012年の世界幸福度指数では、151国でコスタリカが1位、
日本は45位という数字もあり、幸福度の違いが残念です。