ウイルスで絶滅?

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マグロの回遊が見られる、葛西臨海水族園のドーナツ型水槽で、
大量のマグロが次々に死んで、残り少なくなっているとのことです。
昨年の12月1日には、マグロとスマとハガツオで165匹いたのに、
今月19日までにスマは全滅し、20日時点でマグロ3匹、
ハガツオ4匹の、合計7匹しか生き残ってていないというのです。

しかも生き残っている7匹も、だいぶ弱ってきているようで、
マグロもまもなく全滅するのではないか、とさえ言われています。
原因はまだ特定されてはいませんが、脾臓にウイルスが見つかっており、
そのためか脾臓が変性していて、これが原因の可能性が高いとか。
もともと広い大海を回遊するマグロですから、水族館は狭いはずで、
そうした狭さによって、ウイルスが広がった可能性もあるのです。

今でこそ水族館で見られるマグロですが、僕の子どもの頃は、
マグロのような大型回遊魚を、水族館で見ることはできませんでした。
キューバダイビングのライセンスを取ったとき、僕の目標は、
マグロやイルカ、マンタやアジ等の群と一緒に泳ぐことで、
全部の願いは叶い、マグロに関しては小笠原と西表島で見れました。

どちらも流れの速い海域で、水中にある岩礁の根のあたりで、
潮に流されないように気を付けながら、回遊するマグロを見たのです。
ダイビングでは、こうしたポイントで見られたわけですが、
水族館となれば、いくら海流を人工的に作っても広さは誤魔化せず、
ドーナツ状の水槽で、コマネズミのように泳ぐしかないのです。
いくら水環境をきれいにしても、同じ水の中に長くいるしかありません。

こうした人工環境は、一時うまく行ったからと言って安心していると、
まったく違う要件によって、また新たな問題が発生してきます。
大自然の中であれば、大きな自然界の循環によって浄化されるものが、
人工環境では限られた要件の浄化となり、何かが足りない。
この見えない何かが問題を起こしたときに、決定的にいのちは枯れる。

人間の環境においても、大自然を利用するだけ利用して、
人間に都合のいいことだけ計測していると、計測できないところで、
やがていのちに関わる、大きな問題が発生する可能性が高いでしょう。
いいことだけ利用するつもりが、元も子もないくらいに破壊する、
人間の技術には、そうした危険性が常に潜んでいると言うことです。
だからこそ僕らは謙虚に、見えない神の存在さえも信じるのです。