雪下から野菜を採る

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あまり雪が多くなると、こうはいきませんが、
野菜の上に、10㎝~20㎝くらいの雪があると、
ちょうどいい具合に、鮮度が保たれるようです。
積雪前に掘り出して、干し野菜にするのもいいけど、
こうして必要な分だけ掘り出せば、新鮮な野菜が、
少なくとも今月中は、食べられるようなのです。

今年はダイコン、ニンジン、キャベツ、ハクサイなど、
冬野菜がたっぷりできているし、イモ類もまだある。
さらにタマネギや、生ラッキョウもまだあるし、
ラッキョウの甘酢漬けや、ニンニクの醤油漬けもある。
ネギの時期がちょっとずれて、まだ小さいけど、
来年には、時期をずらしたネギも作れるでしょう。

ちょっと昔の時代には、こうした工夫はあたりまえで、
遠方からガソリンをまき散らして、運ぶ必要もない。
雪で閉ざされる山間地域は、もちろんのこと、
平地の農村部でも、地域での自給自足は当然でした。
スーパーやコンビニが出来て、便利になった代わりに、
世界中で破壊される自然環境を、どう考えるのか?

50年前には、バラ色に見えたアメリカ型社会は、
すでに20年前には、持続できないことがわかって、
新しい将来モデルが、ヨーロッパから発信され始めた。
だけどアメリカ追従で、経済拡大一辺倒の日本では、
スローライフも循環型社会も、経済拡大の材料と目され、
ともかく儲かるビジネスにしようと、躍起なのです。

いったいどこまで経済を拡大すれば、満足するのか?
たぶん永遠に満足することなく、拡大を目指し、
世界中の環境を破壊して、どうにも行き詰まって止まる。
それではあまりにも愚かですが、財界の頭は変わらず、
財界の利益利権に依存する政治も、方向が変えられない。
悲しいことですが、これが日本の現状でしょう。

東京電力の西沢俊夫社長が、
「既成概念や既得権益固執せず、
 自ら改革に取り組んでいかなければならない」
と年頭あいさつしたのを受けて、
“東電は電力業界の既得権益にとらわれない改革ができると思うか?”
との意識調査が行われた結果は、ほぼ予想通り、
20598の回答中84%が「ほとんどできないと思う」と答えています。

これほど信用されていない人たちが、未だに国の根幹企業のトップで、
どうやってこの国を、良い方向へ導いていくことができるのか?
旧態然とした体制に変わるものが、何もないことを露呈しています。
だからこそ新しい流れは、財界の息の掛かった大手新聞テレビでなく、
人の心や信念によって動く、小さきもののネットワークで動くのです。

巨大地震津波は、いかに大きな犠牲をともなおうと、
数時間で終わり、人々は瓦礫の中から再建に立ち向かえる。
だけど原発被害は、直ちに健康に問題はないと言っても、
汚染源を撤去できない限り、問題は解決したわけではない。
同じように間違ったままの社会では、問題は解決しないのです。
放射能汚染と金融汚染の除去には、共に長い月日が必要です。

こんな時代だからこそ、僕らは政治経済を他人事としないで、
自分に何が出来るかを考え、問題を起こさない生き方を考える。
そうすれば、世界の重要課題である金融経済の破綻さえ、
僕らは自ら解決できる能力を備えていると、知れるのです。
最先端のスマートグリッドを使った、ネットワークも使って、
なるべく小さな地域で、衣食住楽とエネルギーを自立する。

外側のものに振り回されて、利益を吸い上げられながら、
世界中のどこかで環境破壊を進めるのではなく、今ここで、
必要なものを賄いながら、不足するものを助け合う社会を作る。
たったこれだけのことをすればいいとわかるから、僕らは、
自分が住む生活圏を大切に、循環型の社会を目指すのです。
雪下から野菜を採って食べるのは、世界を愛する印なのです。