「永遠の旅行者」

面白い小説を見つけた。
幻冬舎創立11周年記念作品と銘打った、
橘玲さんの「永遠の旅行者」って作品だ。
「誰もが税金を払わぬことを望む。
 だが、それを生き方にするものは少ない。」
オビにそう書いてあったのが興味深くて手に取った本で、
書店で立ち読みしてみたら、これがとても面白い。
普段は図書館で借りた本しか読まないのに、
これは大枚1600円を支払って上巻を買い、
するすると一気に読み終えて、下巻も買うことにした。
この本には、現代の国家と個人の関係が、
経済や戦争を絡めながら本質を突いて書いてある。
国家とは何か、人間の愛情とは何か、
こうしたことを正面から取り組んでいながら、
しっかりエンターティメントになっているのも嬉しい。
近頃もてはやされる女性的な小説と違って、
男でなければ書けない、ちょっとハードボイルドながら
人生の味わいがしっかりとあるのも気に入った。
久しぶりに、続き(下巻)を読むのが楽しみな本だ。