小規模アグロエコロジーへ!

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今年の9月11日、フランスの国民議会で、
画期的な農業の法律が、採択されました。
「農業・食料・森林未来法」と言うものですが、
loi d'avenir pour l'agriculture, l'alimentation et la foret
いわゆる「農業未来法」と、呼ばれているものです。

5つのことが、内容に取り上げられており、

(1)アグロエコロジー(農業の緑化)
 肥料、農薬などの「投入物」よりも、多作物栽培や土壌微生物などの
 サービスをの利用を優先する農業方法を開発し、育成する。

(2)農地の確保
 農地を侵食するプロジェクトや工事で影響を受ける農業者対する
 補償金を施工者から徴収して、農地の都市化を抑制する。

(3)農薬使用規制の強化
 学童たちのレクレーションの場、保育所、公衆に開かれた公園や
 庭園の中の子どものための遊び場では、農薬使用を禁止する。

(4)狼からの家畜保護
 家畜を襲う狼の捕殺を容易にするため、保護区域内でも大きな草原で
 狼の間引きを許可する規定が盛り込まれた。

(5)木材密輸撲滅
 生物多様性、土壌の保全、気候変動との闘いにおける森林の役割を認め、
 違法伐採木材または木材製品の輸入・販売と闘う措置を規定。
 
となっていますが、この中で特に重要なのが、
アグロエコロジー(農業の緑化)で、大規模農業に対峙します。
例えば今ある農家の人が、生態系を考えた農業・環境プロジェクトを、
実施するときには、割り増しされた公的援助を得ることが出来る。
農地の確保、農薬使用規制と合わせて、将来の農業の道を示すものです。

フランスは経済的にも軍事的にも、しっかり自立した大国ですが、
自分たちのことは自分たちで決める、民主主義の大国でもある。
かつては食糧自給率の低さを、国策で克服してきましたし、
女性の社会進出による出生率の低さも、制度改革で克服しています。
いわば社会問題を改善するために、法や政治が機能している。

日本を見ると、様々な国際的な活動をしてはいても、
未来に向けて、世界の道しるべになるような目指すものがない。
自分の国の将来をどこへ導くのか、哲学的な議論もないのだから、
どこまで行っても世界の優秀な労働者で、経済大国でしかない。
アメリカの言いなりでは、それもまあ仕方ないかな・・・