有給消化は何のため?

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多くの人がご存じの通り、日本人の有給消化率は低く、
旅行サイト・エクスペディアの調査では、最低となっています。
他の諸国とどのくらい違うかは、上のグラフを見ていただければ、
一目瞭然で分かるとおり、支給日数の半分しか取っていない。
その主な理由が、有給休暇の取得に罪悪感を感じており、
やむを得ない緊急時に取得するために、取ってあるのだとか。

会社がどれだけ大切かしれませんが、せっかくの有休を、
使わないで取っておく緊急時とは、いったい何なのでしょうか?
ブラジル、フランス、スペイン、オーストリア、香港の人は、
100%の取得率で、多くはバカンスのために使っている。
僕がサラリーマンだったときは、9割の消化を目標に、
自分の部署で率先して取得して、旅行をしていたものですが。

確かに長い休暇は取りにくい、そんな雰囲気があったので、
例えば夏に沖縄へ行くときは、7月から8月に分けて取りました。
とは言っても7月後半に1週間と、8月前半に1週間、
合わせて2週間の休みを取り、その間ずっと沖縄にいたのです。
僕は部署の責任者でもあったので、率先して取ったことで、
他の社員も順番に、1週間以上の旅行をしていたと記憶しています。

2月3月が暇な時期だったので、この頃にももう一度、
1週間程度の休みを取って、海外へダイビングに行っていました。
ただし一番忙しい10月からの3ヶ月間は、なるべく休まず、
だからと言って特に不満もなく、一生懸命に働いていたのです。
一年に緩急を付けて暮らし、それなりに優雅な暮らしで、
200本以上のダイビングをしたのも、この時期の事でした。

もともと20代には、ずっと旅をしていたようなもので、
そこで出会った人や体験が、後の自分を作り上げたと思っている。
だから旅や旅行を大切にして、いくつになっても珊瑚礁へ行く。
サラリーマンを辞めた時点で、スキューバは止めましたが、
シュノーケリングだけは、今でも続けていますし、
沖縄行きは年中行事となって、家族で行っているのです。

会社から言われるままに働くのが、優秀と言われる日本では、
会社から離れることに、不安を抱く人が多いのでしょう。
だけど諸外国では、特にフランスやスペインなどでは、
人生の重要な部分は、家族との生活だという認識が普通です。
会社へ行って働くのは、家族の暮らしに役立つからであり、
会社ために家庭を疎かにするなんて、考えられないことなのです。

アベノ独裁は、有給の消化率を上げようとしていますが、
人生や仕事の価値観をそのままでは、根本的な解決になりません。
合理性や経済成長の一本レールで、教育文化を推し進めるなら、
男女平等も文化の多様性も、あったものじゃないことになる。
もっと自由に人生を考えるときに初めて、日常から離れて旅をして、
そこで出会う自然や異文化や人々によって、何かを得るのです。

その何かによって、未来が開かれると思った時に初めて、
長い旅が必然となり、1週間1ヶ月間の旅に出て行くのです。
僕が最長の旅は1年と8ヶ月で、北アメリカ大陸を回りました。
お金がなくなるとアルバイトをする、そんな旅だったので、
アパート暮らしもするような旅でしたが、そこで出会った縁によって、
今の自分があるのかもしれない、そう思って暮らしています。