理解できなくたって・・・

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僕は長い間、男女平等に関わってきましたが、
日本では男女平等でないままに、事態は変りました。
結婚しない人が増えて、出生人数も減っており、
気がつけば少子高齢化で、人口も減っているのです。
考えてみれば僕だって、人生の過半分は独身だったから、
結婚しない人の気持ちは、とてもよく分かるのです。

まず若い頃は、いわゆる“性に目覚める頃”から、
多くの男はSEXがしたい、と好奇心満々になります。
この欲求は人によって違うとしても、かなり強いもので、
SEXがしたい故に結婚する、って男も少なからずいる。
それはまあ自然のことで、性欲を満たしてくれそうな女に、
言い寄った結果が、結婚することになったりします。

だけどこの時期を過ぎてしまうと、打算的になって、
男女ともに性欲だけで結婚する人は、あまりいなくなる。
そうかと言って、心躍るような恋愛もないままに、
ずるずると独身を続けた結果、結婚しない男女になる。
そもそもいったい何のために、結婚などするのか?
経済的理由でもなく、男女が平等な社会であれば・・・

僕は若い頃には、性欲は人並みに強かったとしても、
自分の自由を拘束されるのが、どうしてもイヤだった。
結婚とは自分を縛ることであり、自由に恋愛とSEXをして、
だけど独身を通す中で、人生設計を夢見ていたのです。
そんな姿を代弁してくれていた、ような気もしますが・・・

先日古い本の整理をしていたら、昭和41年6月号の、
中学生向けの雑誌が出てきて、パラパラ読んでみたのです。
すると「男の世界・女の世界」、と言った特集があって、
カッコいいと感じるものが、男と女では違うと紹介されている。
その中で女子が1位としたカッコいい人は、西郷輝彦であり、
2位がケネディ大統領、3位がシュバイツァーとなっていました。

この3人は男子にも選ばれて、2位、4位、6位にありますが、
男子が1位としたのはジェームス・ボンドで、女子にはない。
様々な人が演じて、現代も続いている希有なシリーズでもある。
助平で女好きで、おしゃれで気が利いて、格好良く動き回り、
女性は誰でもボンドを愛して、生活に困ることなどあり得ない。

これが男子の理想で、女子はまったく理解できませんから、
結婚は女性が思う理想であっても、男の理想は違っていたのです。
自由に生きたつもりで40代50代になって、何か足りない、
と思ったときには、もう結婚適齢期はとうに終わっていました。
人生に何か欠けていたとすれば、家族と家庭なのですが、
時すでに遅く、人生はすっかり終わりに近づいているのです。

僕はまあ幸いにして、60歳にして子に恵まれ結婚もして、
この年齢には不相応な家庭生活を、過ごしているわけですが・・・
実は必ずしも、妻のことを理解しているわけではありません。
むしろ理解は出来ないものと了解して、一緒に暮らしているので、
何を言われても本気では怒らないし、受け入れたいと思っています。
違いを味わい、楽しむことができればもっと良いのでしょうが。

妻も子も無いことを思えば、やっぱりありがたいと思うし、
そもそも自分と同じ考えの存在なんて、気持ち悪いかも知れない。
僕はこう思うけど、妻は違う事を思っていると受け入れれば、
案外異文化の土地を旅するようで、それはそれで面白いでしょう。
異文化が対立したときは、サッサと自分が折れて郷に従えば、
自分の力では出来ない何かが、手に入ったりもするのです。