種子(たね)は誰のものか?

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昨年4月に、種子法(主要農作物種子法)廃止法案が可決され、
今年の4月1日をもって、日本の種子法はなくなることが決まっています。
なぜ種子法を廃止しなければならないのか、よく分かりませんが、
この法律はちょうど僕が生まれた年に制定された、食料を守る法律です。
当時はまだ戦後の食糧難が続いていて、安定的な食料供給が目的で、
多くの人が自由に食料生産できるよう、考えられたものでしょう。

この法律を無くした理由の一つは、TPP加盟に邪魔だったからで、
基本的には企業による、種子事業への参入を容易にするものと思われます。
つまり種子と言えども、自由な経済競争の品目になる必要があり、
これを法律で守ることは、企業活動の邪魔になると考えられたのです。
種子は公共のものだとした考えから、私有化するものへと変化して、
企業による占有を可能にする、いわゆるモンサント法と呼ばれる状態になる。

モンサント法とは、それ自体が特定の法律を指すと言うよりは、
様々な法律の縛りで、自由な種子の取り扱いが出来なくなる状態を言います。
このモンサントとは、世界中の食料を商品として投機的に扱いながら、
世界中の土壌を改良という名の下に、自然な作物が出来ない土にする企業です。
最も有名なのは、遺伝子組み換え種子によって大量の収穫をさせながら、
それ以外の作物は出来ない環境を作り出し、食料の独占を企てているのです。

すでにこの企業は、世界の種子の23%をシェアに持っていますし、
日本でトップ企業のサカタでさえ、たった2%に過ぎない状態でもある。
そしてこれらF1種の種子は、収穫した作物から来年の種を取ろうとしても、
揃った品質にはならないために、またF1種の種子を買う必要がある。
さらに特定の農薬と結びついた耐性を持たせて、この農薬も広めることで、
他の品種が収穫できないような、独占的な農環境を創り出してしまうのです。

アメリカの種子多国籍企業モンサントとデュポンとランド・レールズで、
世界の42%の種が支配されていることが、良いこととは思えません。
幸いTPPによる企業優先の原理は、トランプ政権で破綻したようですが、
近年中南米を中心に、モンサント法によって大混乱があったのです。
その様子は映画にもなり、この映画は今年の春に日本でも公開される予定で、
現在日本語版が、クラウド・ファンディングによる資金で制作中です。


今月10日が締め切り日なので、関心のある人は覗いてみてください。