Nプロ10周年「未来は過去から」

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前身の「シャキット富山」の頃から、深く関わって、
NPO法人「Nプロジェクトひと・みち・まち」になってからも、
ずっと関わりを持ってきた、通称Nプロが10周年になりました。
すでに総会は終わっているのですが、昨日は10周年事業で、
「未来は過去から」~過去に学び、未来に向けて、「今」つながろう~
と題したイベントがあったので、高岡の会場まで行ってきました。

今回のイベントの第1部では、クラウドファンディングを使い、
女性史プロジェクトとして、伊藤冴子さんの人生を聞き取りした冊子本、
『「おかしないけ?」と言い続けて』、の紹介から始まりました。
伊藤さんとは、僕自身も既に長い付き合いになるもので、
最初にお会いしたのは、2006年に実行した北陸平和映画祭で、
何かとお世話になったのが、最初だったと思います。

その後も政治参画プロジェクトなど、様々な企画にご一緒して、
僕が企画した社会学習の連続講座には、必ず参加していただいたり、
お寺での勉強会に、講師で招いていただいたりしたのです。
1933年生まれですから、すでに80歳を超えていらっしゃいますが、
会ってお話をしていても元気そのもので、子どもの頃から達者だった口は、
今も淀むことなく良くまわり、思いの丈を述べられます。

自分もこんな年の取り方をしたい、と多くの人が思われるはずで、
今回の冊子が出来たのは、そんな人の思いが実現させたこと。
そう考えると、自らの信念に従って生きてきた一人の女性の生き方が、
そのまま多くの人を感動させ、生きる喜びを示されていることに、
深い感動を覚えると共に、生き続ける勇気をもらえるのです。
有名人ではない、市井の一人の女性だからこその感動でしょう。

休憩を挟んで第2部では、伊藤さんの冊子に学びながら、
過去の自分が通ってきた道を再考し、さらなる未来に向けて、
自分は今何をして、これから何をしようとするのかを考えました。
コーディネーターの能登さんは、何人かのゲストトークを皮切りに、
少しでも多くの人の意見を汲み上げるべく、巧みに話を振られるので、
大勢の参加者がいながら、およその人の考えもよく伝わりました。

僕らのテーブルの中では、これから未来を作るに当たって、
教育の重要性が皆さんの口から出て、おおいに議論もされました。
合理的な事ばかりが持て囃され、人間としての基本を見失った教育に、
多くの人が疑問を持ちながら、それではどうすれば良いかが難しい。
今の教育がダメだと言って、戦前の教育に戻るのではなく、
新しい時代の教育こそ、議論すべき急務であろうと思うのです。

「過去に学び、未来を考えることも大切だけど、
 将来に理想の夢を描いて、今何をすべきかを考えることも大切」
と言う示唆に富んだ発言もあり、まったくその通りだと思うと共に、
このNプロに集う人たちへの信頼を、あらためて強く感じもしました。
肩書きではなく、実際に何をしたかによって人を見極め、
善き人を良いとして認め、育てていける社会を作りたいものです。