馬畑を手入れ

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三カ所ある田畑の内、馬の牧場跡を使わせてもらっている、
通称「馬畑」の手入れをして、今年の作付けに備えてきました。
この畑も、既に7~8年使っていることになりますが、
当初はすぐそばの馬場に、3頭ほど見かけた馬もいなくなり、
今は寂しい状態で、このまま牧場の復活はなさそうです。

牧場主の“おじちゃん”は、昔はジョッキーだったそうで、
小柄ながらがっしりとした体格の、人なつっこい男です。
元気な頃は、人を食ったような話しをする人ながら、
僕の妻がまだ独身の時に、声を掛けてもらってお世話になった。
その後僕も顔を出すようになりましたが、妙に息が合って、
牧場の一区画を自然農に使われていただき、今に至っています。

何年かする内に体調を崩し、もう高齢でもあることから、
今は牧場を諦めて、犬の散歩をさせながらの隠退生活です。
姫が産まれてからは、おじちゃんに内孫がいないこともあって、
連れて行けば顔を出して、何かと声を掛けてくれます。
姫もすっかりなついて、「おじちゃん、おじちゃん」と呼ぶ。

僕らの自然農は、もともと農家ではない人が多いし、
農家であればまた、先人が自然農をやらせてくれなかったり、
何かと難しいことが多いのですが、おじちゃんはやらせてくれた。
近隣の農家から、一度も苦情を受けたことがないのも、
もしかしたらおじちゃんが、この地域の実力者なのかも、
と思ってみたり、ともかく有り難く感謝して農作業をしています。

そんな馬畑も、おじちゃんの健康が不安になってしまえば、
いつまで使わせてもらえるか、心しておかなければなりません。
僕はお金には無頓着なので、お金で解決するつもりはないし、
そもそも土地を買うほどの大金はないので、なるようにしています。
おじちゃんの後継者がどう判断するかが、この馬畑の明暗です。

こんな所にも歴史があって、使い始めて1年目2年目には、
とても使い切れない状態で、半分荒れ地のままでしたが、
一度トラクターを入れて、それからはきれいに管理しています。
今は大豆類や雑穀類を中心に、サツマイモジャガイモなど、
場所を取る作物が中心で、ニンニクや普通の野菜も植えており、
すっかり生活の一部になっているのが、怖いくらいです。

ガラス細工のように、一見危うい幸せではありますが、
僕はここにこうしていること自体、危ういことと思っています。
その危うさの中で、人は翻弄されながら幸せを追い求める。
そんな人生観があるので、今の奇跡的な幸せってものも、
違和感はなく、有り難く感謝して生きています。