女性的なスピリチュアリティ
近年様々なイベントにおいて、占いやヒーリングが増えており、
特に女性のあいだでは、多くの人を惹きつけている感があります。
どうして女性たちは、占いやヒーリングに引かれるのか、
いといろ書物を読んでいたら、少し分かってきたことがある。
物質文明と言われる現代において、精神性を求める人が増えており、
その求める先が、男性と女性では傾向が違うと言うことです。
日本社会は現代において、お金経済を柱とした男性社会ですが、
こうした偏重した社会において、女性も同じ活躍を求められている。
金額が大きいことをピラミッドの頂点として、制度が成り立っており、
よく稼ぐ人には、それなりの社会的地位が与えられる構図です。
このピラミッド構造は、攻撃的な男性的価値観でできているので、
女性にはストレスが多く、本気で参加するには無理がある。
日本の男女平等は、男女雇用均等法や男女共同参画社会基本法など、
法律的には現状の価値観のままで、女性に参画を迫っている。
すなわち男性的価値感による社会の中で、女性にも頑張らせたい、
という安直な考えが見え透いており、根本的価値観の考察がないのです。
その結果うっかり頑張った女性は、心身共に無理が来て病んでしまい、
体調の異変や鬱に陥る人が多い、という現状があるのです。
経済と並んで社会的に大きな要因である、信仰の世界においても、
仏教やキリスト教など旧来の宗教は、男性的な体制が確立しているので、
女性はその中に入ったなら、体制の補完的な役割を担わされてしまう。
そうかと言って新興宗教の場合でも、構造自体は同じようなもので、
女性が主体的に関われるような、価値感を持った組織がない。
それは当然で、社会的に認められる“組織”自体が男性的なのです。
それでは女性の価値観や感性を、そのまま活かせる場はどこか、
と考えたときに、過去には家庭というものがあったでしょう。
しかし家庭も経済に取り込まれてしまうと、男性的な場になって、
女性が伸び伸びと自分を活かせる場では、なくなってしまっています。
したがってただ仕事を辞めても、経済的なストレスはついて回るし、
何か新たな場を見つけないと、女性は社会の中で疲弊する。
そこで女性たちは癒やしを求め、ヒーリングが必要になるし、
本当は望まない経済社会参画よりも、占いによって救われようとする。
外に向かって活躍するのではなく、内側の自分と向き合うことによって、
自分の内側の世界と外側の世界との、和解を求めているのです。
お金経済の社会で活躍するよりも、自分の命の声に耳を傾けることで、
個々人の価値が持つ尊厳を活かしながら、暮らしたいと思う。
この思考が男性に届けば、男女性以上に個々人の個性が大切だとなり、
新しい社会の価値観を示す、大きな社会転換思想にもなるのです。
しかし今はまだ、社会を支配するお金による権威付け構造は強いので、
まずこうした束縛から逃れて生きる術を身につけ、生き延びる、
ヒーリングで出会うスピリチュアリティを、大切に守ることです。
それによって女性は、未来を切り開く主体的な要因になれるのです。