「むすメモ!」

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つかさちずるさんが書いた、四コマ漫画を中心にした本ですが、
子育ての楽しいこと、辛いことなどを要点よく押さえていて面白い。
妊娠中の様子から、娘が生まれて2歳になるまでのエピソードが、
喜怒哀楽のポイントをうまく捉えながら、シンプルに描いています。
我が家にもまもなく4歳になる姫がいますが、この本を読むと、
その時々の当時のことを思い出し、思わず微笑んでしまう。

初めての妊娠が発覚したときの、ちょっとドキドキ感とか、
こんな簡単に妊娠が確認できるの?、と言った驚きから始まって、
つわりが酷かったことや、胎動を感じて大騒ぎして喜んだこと。
こうした内容のエピソードが、順を追って描かれているので、
それを読みながら、僕らの当時のことを思い出して楽しみました。

病院での出産エピソードに関しては、僕らは自宅出産でしたので、
かなり違うイメージでしたが、違いを思い出しながら読むのも楽しい。
良くも悪くも、自宅出産で母乳育児と決めていたのですが、
それは想像以上にハードルの高いことで、簡単にはいきません。
自宅出産をするには、それを受けてくださる助産婦さんの問題や、
サポートしてくれる病院を見つける等、クリアする問題もありました。

そして生まれてしまえば、新生児のウンチの良い匂いとか、
一挙手一投足に目が離せず、飽きずに見ていた喜びの数々だったり。
そうかと思えば、授乳のためにゆっくり眠れな辛い日々だとか、
子育てに自信をなくした、孤独に包まれた日もあったことを思い出す。
産後の肥立ちも誰にも頼らず、二人だけでやりくりしたのです。

僕らは夫婦と姫だけの暮らしなので、身近に相談相手がいないから、
僕はなるべく妻の荷が重くならないように、家事は僕がやっていました。
ちょうど農閑期でもあったので、掃除洗濯から食事の用意まで、
誰にもお願いせずに一人でやっていたのが、今では不思議に思います。

あんまりこんなことを書いていると、書評じゃなくなりますが、
実際にこの本を読んでいると、そんなことを限りなく思い出すのです。
そして夜泣きが始まって、子育てを放棄したくなる気持ちなどは、
経験がないと分からないことでしょうが、深刻な悩みだったのです。
だけどそれでも幸せを感じる、喜びを感じることは大きくて、
そんな自分たちのことを、しっかり思い出させてくれたのです。

妊娠出産そして2歳になるまで、経験した人がこの本を読めば、
きっと自分のこととして懐かしく、涙してしまうかもしれません。
あるいは子どもがいない人が読めば、一つのバーチャルな体験をして、
子育てのほんの一部でも、垣間見ることができるでしょう。
子どもの写真と一緒に、ずっと取っておきたい本になりました。