睡眠不足な時代
「現代人は忙しい」が、当たり前になっていますが、
それは良いことなのかどうか、疑わしく思います。
少なくともこの50年間に、科学技術は飛躍的に発展し、
経済も大きくなって、僕らの生活は目に見えて変わりました。
何よりも家庭電化製品によって、生活は便利になり、
家事は相当楽になったはず、と言っていいと思います。
掃除、洗濯、食事、買物など、車生活と合わせて考えれば、
僕らは50年前と比べて、何でも早くできるようになりました。
いや、なったはずなのですが、何故か忙しくなって、
やってもやっても忙しくて、睡眠時間さえ十分ではない。
これって本当に、良い時代になったと言えるのか、
そもそも幸せになっているのかどうか、考える必要がある。
1960年には、平均で8時間以上寝ていた日本人が、
2010年には、1時間も減って7時間あまりになっている。
労働が楽になって、睡眠を削っても大丈夫になったのか、
しかし現実には、睡眠不足を訴える人が増えていると言います。
地理的な移動も早くなり、様々なことを機械がやってくれて、
ゆっくり寝る時間は増えて良いはずなのに、どうして減るのか?
いろんなことができるようになって、それをやり出すから、
人々は日常的に忙しくなって、睡眠時間まで削っている。
これが実情なのでしょうが、これって幸せなことなのかどうか、
考えてみると、どうも胡散臭い感じがするのです。
僕らは次の時代を、どのような暮らしにしたいのかと考えて、
50年前の暮らしを考えると、現代が疑問に思えてくる。
便利な暮らしになったことは、間違いないのですが、
それによって得た恩恵と、失ったものを天秤にかけたとき、
失ったものの価値に、どうしても納得がいかないのです。
環境問題などが、その代表的な提起になりますが、
僕らは美しい自然の中で、生きていきたいと思っているのに、
現代の環境破壊は、未来そのものを失う可能性がある。
マネー経済の悪癖は、すでに何度も指摘してきましたが、
頑強なマネー信仰によって、事態は悪化の一途を辿っている。
最近になってようやく、このお金の暴力を正そうとする、
具体的な試みも始まっていますが、これはあまりにも遅い。
睡眠不足でイライラする人が増え、集中力が失われて、
慢性的にだるかったり、消化器官の不調まで伴ってくる。
これからさらに50年後に、僕らはどんな暮らしを望むか、
これまで以上に便利で、眠る時間も惜しむ暮らしか。
それとも新しい価値観によって、ゆったりとした時間を過ごし、
豊かな自然を取り戻して、マネー信仰をやめるのか。
選択肢はいろいろあるはずだから、常識に囚われることなく、
自由な頭で考えて、未来の暮らしをプラニングしたいものです。