南砺市らしい男女共同参画?

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現在僕は南砺市の、男女共同参画推進審議会のメンバーです。
と言っても審議会メンバーなんて、普段は何もしていませんから、
久しぶりに招集がかかると、あれっ何するんだっけって感じ。
そういえば去年は、市民アンケートの内容を検討したのを思い出し、
その結果を見られると知って、大いに関心を持って行きました。

特に関心があったのは、男女共同参画が目指す方向性とか、
これは何を目指しているのかとか、人間の幸福との関わりです。
国連の調査などでは、日本の男女平等は低レベルになるのですが、
果たして南砺市の人は、どんな風に思っているのかってこと。
実はこの質問の選択肢は、僕らが考えて作った4沢なので、
その文章と、アンケートの結果を一緒に書いておきましょう。

男女共同参画の方向性)
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A、もっと積極的に、男女平等や共同参画を勧める必要がある。
           男= 25.0%   女= 20.2%
B、日本には日本の文化と価値があるので、国際的な評価はあまり気にしなくていい。
           男= 27.5%   女= 22.8%
C、日本らしい南砺市らしい男女平等の在り方を考える必要がある。
           男= 30.0%   女= 39.1%
D、男女平等以上に、日本には人種や地域で社会的不平等を作らない風土があるからいい。
           男=  7.5%   女=  6.7%
 (※ 数値が100%にならない分は、その他・無回答があるからです)
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男女ともに「C」が一番多い結果で、これはこれで良いと思ったのですが、
少し気に掛かることもあって、その点を指摘しておこうと思います。
そもそも「日本らしい南砺市らしい男女平等」って、いったい何なのか?
果たしてそれは、不平等の追認でないと言い切れるのかどうか?
もしも本当に、南砺市らしい男女平等社会をイメージできるなら、
それは結構なことですが、あまりはっきりしないところが気になります。

日本では古くから長い間、男女の棲み分け文化が発達しており、
男には男の役割と責任があって、女にはまた違った役割と責任を求めた。
それを追認するのならわかりますが、あらたに南砺市らしい平等となると、
いったい何をイメージすればいいのか、よくわからないのです。
そもそも男女平等は何のために必要なのか、何を目指しているのかと考えて、
確認するために作ったのが、次のような4沢でした。

(男女共同社会が目指すもの)
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A、女性の権利を守ることで、働く女性を増やし、経済社会に貢献する。
           男= 12.5%   女= 11.4%
B、妊娠出産によって社会的弱者になる女性を守り、少子化の流れを変える。
           男= 18.0%   女= 18.5%
C、男性化で硬直した社会の価値観を、女性の視点で再構築していく。
           男=  6.4%   女=  5.4%
D、みんなが幸せになるように、全員参加の社会作りを目指している。
           男= 54.1%   女= 54.7%
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男女ともに「D」が圧倒的に多くて、まっとうな判断だと思います。
政権の本音としては、経済効果の「A」を求めているかもしれませんが、
経済がいくら膨らんでも、人々が幸せになるわけではないことを知っており、
具体的な言及はできなくても、幸せ作りが必要だと感じているのです。
そこでもう一度先のの質問に戻り、その結果を見ることになるのですが、
「日本らしい南砺市らしい男女平等」は、人を幸せにすることを望んでいる。

この考えの裏には、欧米から始まっている男女平等の考え方では、
日本文化の持っている価値観は相容れず、それはイヤだと思っている。
権利と義務の感覚ではなく、さりげなく思いやり助け合うような、
あるいはそうでなくとも、欧米化ではない幸せの方向を求めている。
これは実にもっともですが、果たしてうまく明確化できるのかどうか、
その表現の難しさで、世界的には認められていないのが現状だと思います。

さて僕らはこの難題を、どのように解決していけるのでしょうか。