花開くお米

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このところ3日も見に行かないと、田んぼの様子が変わります。
次々に花が咲いたかと思えば、その次は稲穂に変身して、
田んぼ全体の様子では、風景が一変して見えたりするのです。
小さな僕の田んぼは、10種類のお米を作っているので、
変化の様子もよくわかるし、その変化がまた違っているのが面白い。

今年は早生黒米に続いて、細赤米とかおり米が花咲いたと思ったら、
すでに背高黒米と大正モチも、小さな花が咲き始めています。
しかも今年の細赤米(写真左)は大きく成長して、他の稲より格段に大きく、
背丈のほどで1m20~30㎝あって、たくましく見えます。
今は真っ直ぐ伸びていますが、さらに稲穂が実ってくると、
大きく広がって垂れるという、独特の姿になるのも面白いのです。

それに比べると、一番遅い緑米はまだ50㎝にもなっていなくて、
同じ時期に植えているのに、早生と晩生ではこうも違うのかと驚きます。
この田んぼでの自然農も、いつのまにかもう4年目になるのですが、
同じ田んぼの面でも、一年寝かせただけで稲がよく育つのも興味深い。
僕の借りている場所は、3カ所に区切って使っているのですが、
その中で1区画1年寝かせた場所が、一番よく育っているのです。

写真真ん中は先日紹介した、最初に花開いた早生黒米ですが、
これは順調にいけば、9月中旬には稲刈りになりそうな勢いです。
9月には秋冬野菜の種まきや手入れもあるから、徐々に忙しくなるので、
手の空いているうちに、ハサの準備もしておく方がよさそうです。
こうしてまた1年が過ぎていくことが、いかにありがたいことかと思えば、
何よりもまず、自然のありがたさに感謝せずにはいられません。

自然農への挑戦は、野菜栽培から始める人が多いですが、
一年のサイクルで作る米作りこそ、自然農の心を知る王道です。
春の種下ろしから始まって、夏草を整理するお世話を経て、
秋には一年の成果を収穫する、このサイクルこそ日本の心でしょう。
美しい自然の四季を愛でながら、五体に汗して体でする農作業、
そこに日本人の健康があって、比類なき美の文化も花開いたのです。

四季折々に感じとる美しさは、至上の幸せを感じさせてくれるし、
それは自然を重んじる農業と同じ、感謝の調べを持っている。
僕は庭木の手入れとか、家屋敷の手入れとかはしませんが、
ありのままの自然を大切にしながら、そこに人の心手を少し加える、
そんな控えめな自然参画が、ちょうどいいと思っているのです。