早生黒米が出穂です

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早生黒米の花が咲き、穂が実り始めました。
例年よりも早い気がしますが、実り具合は悪くない。
このまま順調に育って、収穫できればありがたいけど、
まだまだ何が起きるかわからない、自然相手の農作業です。
草取りはお盆までに終わらせたので、今はゆっくり、
実りの秋を迎えるまで、見守っていきましょう。

一番早い早生黒米が出穂と言っても、他の種類はまだで、
最後の収穫になる緑米などは、今が分蘖の盛りです。
9月末から10月下旬にかけて、一ヶ月の間に順次収穫ですが、
この季節は例年台風が近づくので、安心はできません。
これまでには何度か台風が接近して、その対応のために、
風雨の中を走り回って、稲を助けたこともあるのです。

今月末にはハサ干しの準備で、稲架を組みますが、
長い竹などは運んでこれないので、短いのを組み合わせる。
昔の農家では、稲架干し用の木が植わっていたりして、
その間に横棒を渡すだけで、ハサができるようになっていたり、
いろいろ工夫して、農作業を楽ににしていたのです。
だけど現代では、そんな細かい工夫はしなくなっています。

田畑は集約して、機械が入りやすくなっており、
逆に手作業でやろうとすると、大きすぎて味気ない。
人作業に適した場所とは、単なる水の利便性だけではなく、
眺めの良さや空気と言った、気持ちよさが欠かせません。
不便な山間の段々畑でも、眺望の良いところであれば、
そこで作業すること自体が、一つの楽しみにもなるのです。

今日は太平洋戦争の終戦日で、田舎ではお盆でもある。
大勢の人が帰郷して、田舎の風景を目にするわけですが、
今や地方都市も個性を失い、どの町の風景も変わりありません。
南砺市においては、人口が減り続けているのに、
新しい道路が作られて、人家を立ち退かせてもいる。
立ち退いた人の多くは、また市外へ引っ越していくのです。

人の寿命が延びていながら、人口密度は下がっており、
僕らはこれからますます、広い空間を管理していく必要がある。
そんな中での農作業は、単に食料を生産するのではなく、
農作業自体が楽しみとなり、人の生甲斐になればいいのです。
スマホの画面を見ながら、町を歩き回って暮らすより、
それぞれの人が自給自足を目指し、生活を楽しめればいい。

この国に稲作が伝わって、それが広く定着してから、
様々な文化が花開き、この国の有り様ができてきました。
移る四季を愛して、自然の中に溶け込む文化は、
世界中のどの文化にも引けを取らない、豊かなものです。
産業経済のために、失って良いとは思われないけど、
現実を見ていると、経済だけが優先しているようで残念です。