草を敵としない

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最初の田植えから、一ヶ月が過ぎました。
はじめに植えた“かおり米”は、分蘖が始まって、
ごらんの通り、勢いよく成長を続けています。
毎年その年の条件に合わせて、田植えをしていますが、
今年はフルに時間が使えるので、草の利用を心がけます。

自然農の原則である、草を敵にしないとは、
ただ敵にしないのではなく、味方にしてしまう。
田畑で肥料になるのは、有機物としての草や虫なので、
これを育てるのも、自然農の一部と考えます。
つまり草を育て、その草の中で虫も育てることで、
この亡骸を養分として、作物を育てるわけです。

したがって、作物を作らない季節はもちろん、
草は適度に育成しては、刈り取って寝かせておく。
そして作物を作る季節になると、作物が負けない程度に、
草を育てては刈って寝かせ、また育てては刈って寝かせる。
これを繰り返すのが、僕らのやり方だと言えるでしょう。

ただし草があまりはびこると、手入れが大変になり、
作物も草に負けて、大きくなれなくなってしまう。
そこで様々な工夫をするのですが、水田の米作りでは、
水の加減によって、水草と陸草をコントロールするのです。
田植えの時には、しっかり植え付けしやすいように、
水を抜いて植えますが、植え終わったら水を張る。

すると陸草がはびこっていた面が、水浸しになって、
立ちガマで簡単に、除草処理できるようになるのです。
この写真では、草の処理を終えたところを写していますが、
もともと苗筋の行間には、枯れ草を敷いてありますので、
あまり多くの草は生えませんし、簡単に取れるのです。

中には根が強い草もあって、稲よりも強い場合には、
根こそぎ除去することもありますが、基本は共生です。
こまめに草を除去すれば、稲の強さが勝ってくる、
とも聞いていますが、それは期待半分の話でしょう。
まずは枯れ草を敷いて、草を押さえておき、
それでも生えてくる分を、刈って寝かせます。