風前の灯「町の小さな映画館」

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「いのくち椿館」から連絡があり、今まで上映した映画の資料を欲しい、
とのことでしたから、手持ちの資料を持って行ってきました。
いのくち椿館で館長をしていた頃に、ユナイッテッド・ピープルと契約して、
一年間の上映権契約をして始まった、CINEMO椿館の企画映画上映です。
僕が椿館をやめて、自分の農作業などが忙しくなりましたから、
映画の上映会も5月を最後に手を引き、今は実行委員会が継続してはいます。

どうやら今回僕が呼ばれたのは、6月に実行委員会が上映を予定している、
「選挙フェス!」と言う映画に関して、何か問題が発生したようでした。
この映画は実行委員会のメンバーの一人が、選挙権が18歳以上になるのを踏まえ、
何か啓蒙活動をしたいと考えて選んだ映画で、確かに選挙の映画ではある。
と言っても僕自身は内容もよく知らないし、どうして問題があるような話になったのか、
聞いてみると、市議会議員の一人からクレームがあったようなのです。

詳しいことはわかりませんが、「いのくち椿館」を管轄する行政課に対して、
参議院選挙が始まるこの時期に、選挙の映画をするのはどうなのか?
と疑問を投げかける質問があって、担当課が動いたようなのです。
たしかに上映予定日の6月25日は、22日の選挙公示日の後ですから、
選挙戦のまっただ中になり、問題視する人が出てきたのも不思議ではありません。
選挙日程とは関係なく企画した上映会ですが、問題があるならやめるしかない。

最終的には担当課でも判断できず、南砺市選挙管理委員会が判断するとして、
今は結果待ちの状態ですが、これを受けて「なんと元気」から実行委員にクレームです。
もともと「なんと元気」とユナイテッド・ピープル」が契約して始めた企画なので、
上映会をやるなら、なんと元気の了解を得てやって欲しいと言うのです。
今回は上映権もユナイテッドではないし、実行委員会のメンバーが独自で考え、
「町の小さな映画館」を使って、多くの人に選挙を考えて欲しかっただけなのですが。

タイミングが悪かったと言えば、たしかに日程のタイミングが悪く、
上映予定日が25日なのは、その日しか多目的室が空いていなかったからでした。
まだ何を上映するかも決まっていないときに、何かやるならこの日しかない、
実際にほかの土日は予定が入っていて、この日しか押さえることができなかったのです。
その日が選挙告示後の選挙期間となって、選挙を真正面から扱った映画の上映会は、
選挙に関係する人にとっては、まさに真剣な問題と考えられたのでしょう。

特に保守王国と言われる北陸は、単に自民党の議員が多いだけではなく、
国政ばかりか地方選挙においても、自民党でない人が立候補するのは難しい。
僕が立候補の打診を受けたときは、同じ町内の役員に相談すると、
自民党支部で推薦を受けた人でないと、立候補しても無駄だと言われました。
よほどの知名度と実績があったとしても、そんなことには関係なく、
自民党でなければ政治家にはなれない、と言う空気が一般的な地域なのです。

こんな土壌を鑑みれば、「選挙フェス!」も確かに自民党向けではない。
2013年の参議院選挙で、「緑の党」から立候補して落選した、
三宅洋平という人物にスポットを当てた、ドキュメンタリー映画なのです。
いろいろ事情がわかってくると、確かにこの時期にこの映画上映は難しそうなので、
ともかく今は、選挙管理委員会がどう判断するか待つしかありません。
少しでも多くの若者に、選挙への関心を持ってもらいたいだけなのですが・・・