「マヤ ~天の心・地の心~」

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「いのくち cinemo 椿館」の11月は、メキシコのユカタン半島から中米に掛けて、
広大な地域に優れた文明を広げていた、マヤ文明について考察した作品を上映します。
人類に様々な文明が育まれた長い歴史の中でも、マヤ文明は大きな流れを持って、
同じ蒙古斑を持つ日本人にとっては、特別な親しみを感じる「何か」がある。
そのマヤ文明で大きな要素であった歴は、西暦2012年12月21日をもって、
マヤ歴5125年の周期を終え、今は新しい時代に入っていると言います。

古代マヤ人の世界観は、僕ら現代人の世界観とは大きく違っていたようですが、
この5千年の歴史を持つマヤの人々の暮らしさえ、今はグローバル化しています。
グローバル化することで鮮明に見えてくる、マヤ文明の本質に迫りながら、
僕らの文明はこれでいいのかと、問いかけてくるのがこの作品の意味でしょうか。
およそ900万人と言われる現代マヤ人が暮らす、メキシコ南部からグアテマラで、
6人の若いマヤ人を取材しながら、文明の意味をあらためて問いかけてくる。

マヤ歴が終わったことは、文明の何かが終わったことを意味するのかと考えたり、
また新たな時代が始まると受け止めて、未来へのヒントを探ろうとしてみたり・・・
映画の製作者ばかりではなく、観る者もまた様々なことを考えながら関わりますが、
僕はどうしても、自然と一体となった世界観を受け止めずに入られませんでした。
巨大な神殿を持っていたマヤ文明には、ポポル・ヴフと言う創生神話があって、
人の在り方も世界の摂理も、ここからすべてが始まっているとされている。

日本人にも欧米人にも、およそ一つの文明には世界の始まりを説いた神話があって、
そこには天地創造と共に、人間がどのような存在かも描かれているのです。
人類の生産力の拡大によって、天地と人類の関係がないがしろにされ始めた時代、
こんなことは人類史上初めてのことでしょうが、僕らは今その時代の真っ只中にいる。
このことの意味を考え、何かが間違っているのであれば正す力の拠り所を考え、
新しい時代が人類を滅ぼさないように、考える必要があると訴えているようでした。

「僕らはどこから来て、どこへ向かうのか」と言った永遠のテーマに向かう、
その考える縁にこそ5千年の歴史は、必要不可欠のものになるのでしょう。
たった1本の映画ではありますが、映画の魅力はその裏側で注がれた尽力にあって、
多くの人の叡智が集約されているからこそ、芸術作品でもあるのです。
見終わってそんなことを考えていたら、やっぱりこうしたドキュメンタリーを、
もっと多くの人に見てもらいたい、と思わずにはいられないのです。

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 「マヤ ~天の心・地の心~」上映会
日時:2015年11月23日(月・祝) 午後2時~、夜7時~ 2回上映
場所:いのくち椿館 多目的ホール南砺市宮後188番地)
料金:大人1000円、学生800円
問い合わせ:0763-64-2202
主催:NPO法人「なんと元気」
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