ただ生きていく!

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いのくち椿館に咲いた、早咲きの椿 「白妙」。
12月4~6日には椿館で、「早咲き椿展」があって、
5日午後には、新しい箱田名誉館長の講演会があります。
詳細・問い合わせは、0763-64-2202
 
「ジヌよさらば」と言う映画を観たら、これが何とも面白い。
銀行勤めでおカネの恐ろしさを思い知った、主人公タケ(松田龍平)が、
おカネを使わずに暮らそうとして、小さな過疎村にやってくる。
「何も買わない、何も売らない、ただ生きていく」と、
村人にバカにされるキャッチフレーズを掲げ、暮らし始める。

松尾スズキさんが監督をしていますが、出演もしているし、
松田龍平阿部サダヲ松たか子西田敏行二階堂ふみ、ほか、
強力な個性を持つキャストが、それぞれに輝いており、
最初から最後まで目が離せずに、笑いながら見通してしまえます。
松尾スズキさんの腕がいいのか、原作の質がいいのか、
笑いながらも、人生で何が大切かを考えさせてくれるのです。

しかし今日の記事は、実は映画の紹介ではありません。
この原作となる「かむろば村へ」の連載が始まった、2007年は、
ちょうど2001年のNY9.11事件と、20011年3.11の中間で、
世の中の価値感は、グローバル化に対する疑いが始まっていたのです。
それはお金市場主義とも言うべき、世界の価値感に対して、
お金に頼りすぎない社会を模索する、新しい時代の夜明けでした。

ちょうどその頃に、僕らは「まみあな」活動を通して、
日々の生活を消費するのではない、手作り価値を創造する、
新しい生き方を求めて、活動を始めた頃でもあります。
さらに東京平和映画祭、沖縄平和映画祭、北陸平和映画祭と続けて、
お金の対する執着こそが、環境破壊や戦争を起こすことを、
はっきりと認識して、決別を考えた頃でもあるのです。

具体的なきっかけとしては、ミヒャエル・エンデに取材した、
エンデの遺言」やグローバル化の問題視した「ラダック」によって、
お金を中心価値としない、新しい世界の価値感との出会いがありました。
実はこうした価値感こそ、長い人類史の中では主流であって、
何でもお金で考えるようになったのは、この半世紀でしかありません。
その前には人格や人間性、品性や生き方や絆による価値感が主流でした。

行きすぎたお金市場主義によって、歪んだ現代社会では、
様々な問題が表面化して、袋小路に陥っているように見えます。
ネズミ叩きのゲームをするように、何か解決しようとすると、
新たな問題を起こしてしまうやり方は、お金の在り方が問題なのです。
そうではない価値感を求めて、金欲にまみれた現代社会を見直す、
それが新しい社会の価値感になる、と若い人は気付き始めているのです。

僕らも「問題を起こさない生き方としての自然農」に出会ったことで、
具体的にどのように生きればいいか、すでにわかり始めています。
今の課題は、これをどのように理解して共感してもらえるか、
そしてどのように社会の価値感を変えて、新しい社会を作れるか。
こうした試みとして、市民活動を続けていると言えるでしょう。