川上村で野菜作り

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先日からYahoo!ニュースの中に、川上村がことが出ていました。
長野県の南端にあって、埼玉県や山梨県と接するこの村は、
50年以上前から、都会へ出荷する野菜作りが盛んなところで、
35年ほど前に訪れたときも、夏場は大勢の若者で溢れていました。
当時の僕は農業に関心があり、一度はやってみたいと思っていたところ、
川上村で人を募集しているのを知って、応募して行ってみたのです。

普通は夏の2ヶ月間ほど、出荷のアルバイトをする要員になるから、
7月から9月までが、アルバイトのピークになるようでした。
だけど僕は出荷だけでなく、畑で野菜を作る最初から最後までを、
一通り体験してみたくて、4月の雪解けからアルバイトに行ったのです。
手伝いに行ったのは、冬場にスキーで足を骨折した若主人のところで、
ギブスを嵌めた彼の指示に従って、手足になって農作業をします。

夜明けから日暮れまで、途中休み休みではありましたが、
かなり長時間の仕事で、しかも時給ではないから給金は少ない。
それでも僕は、一度はやってみたい仕事だったので熱心にやって、
その家のお爺ちゃんにも気に入られたし、いい思い出になっています。
だけど翌年には、春から長期に沖縄へ行ったので忘れてしまい、
それから年を経て、年収2000万円~3000万円の村と聞きました。

当時でさえ地元の人は、新しい家を続々と建てていましたし、
車と言えばクラウンで、農業用の車の他に必ず一台は持っていました。
若い人の集まりにも、何度も連れて行ってもらったのですが、
皆明るい感じで、農業の未来に希望を抱いているのがわかりました。
ただ僕は、大量に農薬や化学肥料を使う農業は続けたくなかったので、
婿養子で後を継ぐ話にも、あまり関心はありませんでしたが・・・

そして今年久しぶりの川上村ですが、あまり良いニュースではなく、
「年収2500万円は、中国人を使った“奴隷制”“ブラック農業”で、
 成り立っていた」と言う、ショッキングなものでした。
ニュースと言うのは、大袈裟に騒ぎ立てるのが好きですから、
全部をそのまま信じる必要はないので、ことの真相を探ってみると、
中国人労働者の扱いに、人権侵害があったというものです。

中国人実習生は、連日の長時間にわたる激務にも関わらず、
残業代の過少計算や賃金口座の管理、罰金制度や劣悪な住環境で、
「自己決定権や人間的生活を送る権利が侵害されていた」と言うものです。
実際に中国からの実習生を管理する、班長などもいたようですが、
調査によると、罰金のようなことは存在していないようですし、
住環境もそれほど悪いとは思えず、誰か煽った人がいる気がします。

しかし思えば、僕が手伝った頃は日本人のアルバイトが多かったのに、
いつのまにか若い日本人が少なくなって、中国から人を入れていた。
そこで当然のように時給制になって、班長のような人も必要だったとすれば、
このような事態も、ある程度はやむを得ないことだったのでしょう。
東京入国管理局から「班長制度は違法」とされ、実習生受け入れ停止処分、
を受けてしまった今、次はどのような手段で継続するのでしょうか。