ドキンちゃんとバイキンマン

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アンパンマンを見ていると、いつも出てくるキャラクターに、
ジャムおじさんやバタコさんと、バイキンマンドキンちゃんがいます。
やなせたかしさんの話しでは、アンパンマンだけでは足りなくて、
バイキンマンが登場することで、光と影が映し出されることになり、
物語にメリハリや、共感、興奮、楽しさが出てくるのだとか。

よくわかるの話しですが、それではドキンちゃんはどうなのか、
ドキンちゃんは、バイキンマンほどひどいことはしないにもかかわらず、
いつもバイキンマンと一緒で、なんだか不思議なキャラクターです。
自分勝手で人の迷惑を顧みない、だけど優しい心もあるし、
常にアンパンマンに負けるバイキンマンと、一緒にいるのも不思議。

バイキンマンを唆して、悪いことをさせて平気なキャラですから、
バタコさんやメロンパンタなんかとは、大きく違う性格でもあるでしょう。
だけど何か憎めない、食パンマンが好きで一途なところもあります。
食欲が旺盛で、美味しいものを食べることばかり考えているし、
退屈を紛らわすために、アンパンマンと一緒にワルサだってする。

こんなドキンちゃんが登場する意味は、何だろうかと考えていたら、
先日のやなせたかし展で、興味深いことが書いてありました。
やなせさんはドキンちゃんのことを、外見は母似で性格は妻似だとか。
外見が母似というのはよくわかりませんが、性格が妻似と言うのは、
なんだかわからないでもないし、どこか愛せてしまうのです。

そうするとバイキンマンは、実はやなせさん自身の影の一部で、
アンパンマンが彼の陽の部分なら、バイキンマンは彼の陰の部分であり、
陽の部分よりも陰の部分に、彼の妻が寄り添っていたのかも知れない。
そんなことを考えて、ひとり穿った気持ちになるのでした。
案外どこの夫婦でも、影の部分で繋がっているのではないかと・・・