草だって育てます!

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僕の田んぼはこの通り、草がたくさん育っています。
今はこの草を刈り倒して、寝かせているところですが、
草は大切な養分になるので、ある程度は育ててもいます。
自然農は草や虫を敵にしない、とは言われていますが、
実際の田畑では、周囲の目を気にしてなのか、
いつも草はきれいさっぱり、刈り取られている所が多い。

僕の田畑では、あまりにも草を刈らないので、
時には作物が草に負けて、うまく実らないこともある。
それならそれで、仕方のないことだと受け入れてしまうと、
いろんな虫が育って、自然界としてのバランスもとれる。
最初は心配していた病気もないし、野生化するのか、
自家採種のものなど、少しずつ強くなってきている気もします。

去年から自然農を始めた、この田んぼの草は、
これだけ育ったわけですから、養分は十分にある筈です。
この養分が十分に稲に届けば、稲はそれだけで育つはずで、
これ以上の肥料を、わざわざ入れてやる必要も無さそうです。
もちろん肥料を入れた方が、稲は良く育つのですが、
それを繰り返せば、土は少しずつ疲弊していくのです。

こうして草を育てて、その草を刈り倒して栄養にして、
稲だけを残して育てれば、全体のバランスは崩れません。
その循環するバランスの中で、米や野菜をいただいていれば、
来年も再来年も、土は疲弊することなく作物が育ちます。
僕にとって自然農というのは、こうした循環の全体であり、
そこから生きる糧を得ることで、自然への負荷も減るのです。

北陸地方はまだ梅雨も明けず、毎日雨が降ったり止んだり、
うっとうしい天気が続きますが、それもあと少し。
この梅雨が明けたら、砺波平野にも真夏の暑さが訪れます。
その時までに草を倒してやれば、稲は真夏に良く育って、
秋の収穫までには、立派な稲穂が実ってくれるでしょう。
僕らはその手助けをして、お米をいただいて食べるのです。

草や虫を敵にしないとは、うまく味方に付けることで、
その存在を存分に活かし、全体としての調和を図るのです。
大きな目で見れば、僕ら人間もその循環の中にあって、
なるべく自然界への負荷を少なく、たくさんの実りを糧として、
自然と調和して幸せを得れば、幸せは増えていくのです。
人間の活動が、自然そのものになればすてきですね!