「ママ弁護士の子どもを守る相談室」

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子どもを育てるときに、心配になることが、
いわゆる「いじめ」と「非行」かも知れません。
自分の子がいじめられていたり、誰かをいじめたり、
あるいは不良仲間と一緒に、良からぬことをする。
そんな漠然とした心配ではあるけど、実際に起きたとき、
僕らはどう対応すればいいのか、考えておきたい。

そんなことを思っていたら、弁護士の浮田美穂さん、
ほか2名の共同執筆で、興味深い本が出版されていました。
「ママ弁護士の 子どもを守る相談室」と言うもので、
ハードルの高い弁護士と、子育ての問題を結びつけています。
実際子育てのトラブルで、弁護士が必要になるなんて、
少年犯罪の時くらいと思ったら、そうではなさそうです。

事件が起きてしまえば、もちろん弁護士は必要になりますが、
もっと早く事件が起きる前に、何か問題が起きたときに、
弁護士に相談することによって、出来ることがありそうです。
弁護士はどんなときに何が出来るのか、そうしたことを、
具体例を出しながら、詳細に説明してくれる本なので、
子どものトラブルと弁護士が、どう結びつくかがわかります。

学校の先生が、双方の生徒に「仲良くしなさい」と言えば、
いじめは陰湿に激しくなり、先生に対する不信感が募ったりする。
まずは相談を受けた親や先生が、事実関係を正しく把握して、
いじめがあれば、いじめる側を注意する必要があるのです。
ところがいじめを客観的に把握することは、素人には難しく、
どうしても双方に非があるように、思いがちな傾向がある。

しかし被害者の苦しみは、しっかり受け止めて理解しないと、
弱い立場故にますますいじけて、取り返しがつかなくなる。
そこで加害者に対して、強い態度で警告する必要があるのです。
子どもは大人が思う以上に、先生とか社会とかに敏感で、
中でも法律に違反しているとか、裁判所や刑罰を恐れます。
それを利用して、弁護士から警告を出してもらうのです。

具体的にどういうことかは、本を読めばわかりますが、
どんなときも大切なのは、その子に対する愛情と思いやりで、
それが通じていることが、問題解決への重要な一歩です。
これって「少年と自転車」でも、同じことを書きましたが、
子どもは真正直に世界を見ているので、その目を籠もらせれば、
いかに学習が優秀でも、問題の多い人生を送るでしょう。

すべては繋がっている、・・・とはよく言われることですが、
こうして子どもに関する、様々なことを深く考えていると、
大人の政治も経済も、皆同じ根元を持っているように思うのです。