船橋さんとの交流会

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昨日は高岡市の「男女平等EXPO高岡2013」の企画で、
佐賀県立女性センター初代館長など、多くの男女平等に関わってこられた、
北京JAC代表の船橋邦子さんの、講演やトークがありました。
講演では、政策提言的な川上の活動と救済的な川下の活動があることや、
「個人的なことは政治的なこと」と言った、興味深い話が続いて、
直接関わられた具体的な話しなども、数多く聞かせていただきました。

例えば東北大震災後の復興活動でも、瓦礫処理は男性が有給で行い、
ご飯の炊き出しなどは、女性が無給でボランティアとしてやっていた。
男性であれ女性であれ、瓦礫処理でも炊き出しでも同じ必要な仕事なのに、
どうして男性の仕事は有給で、女性の仕事はボランティアなのか?
考えてみれば理不尽な話ですが、こうしたことがあたりまえに起きるのは、
普段からそのように、理不尽な扱いに甘んじていたからではないのか?

普段の一般的な生活において、男女が同じ家に暮らしていれば、
男の役割や女の役割が、あたりまえに出てきてしまうのかもしれませんが、
それが社会においても同じように扱われると、差別が起きてしまいます。
わかりやすい例として、女性の一人暮らしと男性の一人暮らしでは、
男性の方はお金を手に入れやすいのに、女性はお金が手に入りにくい。
どちらも同じ社会貢献をしても、女性はその報酬を得にくい仕組みなのです。

実際に復興活動に携わられた、仙台市奥山恵美子市長が、
「復興の課程の多くの場面で、男女共同参画の課程が存在すること、
 災害など危機的な環境においてこそ、平時からの取り組みが
 活かされることを痛感した」と話されたことを紹介されましたが、
これは女性に限らず、多くの社会的弱者の問題なのですから、
ケガをしたり病気になったり、やがて老いゆくすべての人の問題でしょう。

今の社会は成長を望むあまり、あまりにも拡大上昇志向が優先されて、
それが必然的に社会的な弱者を生み出し、格差差別社会になっているのです。
これを男性社会としてとらえることで、それなら女性社会とは何かと考え、
「インフラの整備より、ひとり一人の人の繋がり」を大切にする、
新しい方向性が見えてくるから、社会の方向転換が可能になるのです。
それをいつまでも経済優先にしていれば、社会的弱者はなくなりません。

こんな話の後で、3人のパネラーを含めたトークトークがあり、
自治振興会やPTA、コミュニティハウスひとのまの人たちが話されました。
話で目立ったのは、PTAなどの女性が多い団体でさえ会長は男性が多く、
女性の代表は少ないので、代表者会議などは男性ばかりになるそうです。
これでは平素の防災において、インフラより女性の発想を優先する、
なんて意見は出てくるはずもなく、男女平等が進まないのも当然なのです。

大ホールでのイベントが終わった後、小さな会議室に場所を移して、
船橋さんを囲んだ交流会があり、僕はそれにも参加させていただきました。
ここではかなり具体的な話が、個人的に抱えている問題も含めて話し合われ、
話は途切れることなく弾んで、1時間半がアッという間に過ぎました。
話の内容は具体的で個人的なことが多いので、ここには書きませんが、
社会問題もコミュニケーションが大切で、話し合いが必要だと感じました。