「お母さんのための(女の子)の育て方」

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姫を得て8ヶ月半になり、今後の育て方を考えると、
世間一般の人がどのように育てているのか、気になります。
そこでちょうど、「花まる学習会」の高濱正伸さんが書いた本、
「お母さんのための(女の子)の育て方」が手に入り、読んでみました。
副題に ~イライラしてしまう母親たちへ~ と書いてあり、
僕のような父親には関係ない内容かも知れない、と思いましたが、
読んでみると、女性そのものが書かれているようで面白く読めました。

まず女の子の育て方と言えば、ジェンダーの問題が心に浮かびますが、
この本では、ジェンダーフリーと言った概念はほとんど無く、
むしろ現状の女の子を、ありのままに見ることから始まっています。
実は僕自身も、男女平等推進センターで市民活動したこともあり、
ジェンダーの問題を知らないわけではありませんが、そうかと言って、
ジェンダーフリーが全面的にいい、とも思っていないのです。
何が作られた性で、何が本質的な性かは分かちがたく思うので、
作者のように、現実の子どもと向き合った話が大切だと思うのです。

「花まる学習会」がどんなものか、僕は知らないのですが、
そこで実際に遭遇した、様々な体験談がこの本の土台になって、
全体としてバランスの良い内容が、読んでいても安心感がありました。
例えば第1章に紹介されている、女の子の12の特徴などは、
★お世話好き、★おしゃべり好き、★一緒が好き/お揃いが好き、
★匂い・声・触感に敏感、★お手紙好き/交換好き・・・など、
実例を読んでいても、納得のいく内容で共感できるのです。

また作者は男性なのですが、この本は(女の子)を扱いながら、
子どもを理解する上で、自分の子どもの頃のことを引用しているのも、
違和感と言うよりも、実体験の参考としてよくわかるものでした。
第2章の「娘が小学5年生になったら伝えたいこと」の中で、
ちょっとコラム感覚で書いてある、「男の生態学」なども、
「スポーツや趣味に熱中する人種だし、いくつになっても子どもなのが男」
と言われると、たしかにそうなので笑うしかありませんし、
女の子としては、知っておくべきことなのだろうと理解できました。

第3章で書かれている、もう一度見直したい生活習慣としつけでは、
(1)休みのときも早寝早起き。「遅起き」を許さないで
(2)女の子だって「休まない体力」は必要
(3)挨拶はお母さん、お父さんがお手本に
(4)礼儀・マナーは真似することから
(5)「カレンダー大作戦」で約束を守らせる
を読んでいると、是非とも参考にしたいと思わずにはいられません。

そして4章では女性の「魅力」について、あらためて検証され、
第5章では「学力」について、多くの経験を踏まえて書かれています。
一通り読み終えてみれば、これは必ずしも女の子ばかりではなく、
男の子にだって共通することが、たくさんあると思いましたし、
全体としてジェンダーではないけど、作られた女の子のイメージもある。
それでも例え作られたイメージであっても、それが文化の範疇であり、
人を苦しませるよりも幸せにするなら、あっていいと思ったのです。
「女の子」の育て方と言いながら、人間性を考えさせる本でした。