拝啓東京電力様
エアコン留めで、耳の穴かっぽじってよーく聞け
福島には「までい」っつう言葉があるんだ。
までいっつうのは、ていねいで大事にする
大切にするっちゅう意味があるんだ。
福島には「までい」っつう言葉があるんだ。
までいっつうのは、ていねいで大事にする
大切にするっちゅう意味があるんだ。
そりゃあ、めいらどこ東北のくらしは厳しかった。
米もあんまし穫れにぇがっだし
べこを飼い
おかいこ様を飼い
自然のめぐみで、までいにまでいに今まで
暮らしてきた。
んだけんちょもな、おめいらのような
人間につける薬がひとつだけあんだ。
福島には人が住まんにゃくなった家が
何ぼでもたんとある
そこをタダで貸してやっからよ
オッカァと子と孫つれて
住んでみたらよかっぺ。
放射能をたっぷり浴びた牛は
そこらじゅう ウロウロいるし
セシウムで太った魚は
腹くっちくなるほど 太平洋さいる
いんのめぇには 梨もりんごも柿もとり放題だ
ごんのさらえば
飯もたけるし、風呂も沸く
マスクなんと うっつぁしくて かからしくて
するもんでねぇ
そうして 一年もしだら
少しは薬が効いてくっかもしんにぇな
ほしたら フクシマの子どもらとおんなじく
鼻血が どどうっと出て
のどさ グリグリできっかもしんにぇな
ほうれ 言った通りだべよ
おめぇらの言った 安全で安心な所だ。
さぁ 急げ…
荷物まどめて、フクシマさ引っ越しだ
これが おめぇらさつける
たったひとつの薬かもしんにぇな。
(2013年6月9日)
(2013年6月9日)