パフォーマンス総裁?

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今年のゴールデンウイークで、マスコミ的に目立ったのは、
マスコミ嫌いの僕的には、アベ総裁のパフォーマンスでした。
ネット選挙を解禁したあと、「ニコニコ超会議2」会場に現れて、
「日本の領海や領土に対する挑戦が続いているが、
 こうした挑発は決して許さない」と熱弁を振るったあと、
自衛隊ブースに立ち寄り、国産最新戦車「10式戦車」に乗ると、
本当に嬉しそうにして、軍事好きの若者から「かっこいい!」の声。

と思えば、中高年に人気の長嶋さんさんと松井さんを、
国民栄誉賞にして、東京ドームで派手な表彰式に登場している。
もともと派手なパフォーマンスが好きで、国民に人気があり、
人気があることを後ろ盾にして、憲法まで変えてしまいたい人ですが、
過去に痛い目に遭っているので、そこは慎重に戦略を練っています。
戦争の悲惨さなど忘れさせて、カッコ良さを若者にアピールし、
政治に無知な人を取り込むことで、さらに支持を広げたいのでしょう。

アメリカとのTPP交渉の主役は、企業利益に他なりませんが、
そうした巨大企業や資本家の意図を隠しながら、政府交渉を進めて、
両国民の利益を忘れ、マネー支配の世界を広めていくのは、
はたして本当にアベ総裁の望むところなのか、疑問を感じます。
このTPPが、巨大企業や資本家以外に何の利益もない、
むしろ国民国家の利益さえ、危うくするものであることは、
日米の議会でさえ、取り上げら始めているのです。

中国韓国との関係悪化も、ほとんど改善できていませんし、
ロシアとの北方領土問題にしても、交渉の進展は見られません。
それでもパフォーマンスを派手にして、トップ会談の数をこなし、
マスコミの記事で、何かすばらしいことをやっているように煽れば、
少なくとも選挙では勝てる、と計算しているのでしょうか。
実際に次の参議院選挙でも勝てば、その次に出てくるのは改憲で、
まず憲法を変えやすくする条文から始めて、軍事国家を目指すのです。

国際問題の様相は、この半世紀の間に大きく変わったので、
もはや軍事力による戦争は、あまり意味を持たないかのようですが、
経済紛争を解決できなければ、いつか軍事力が暴れ出すでしょう。
人類はそうした歴史を繰り返し、今の時代があることを思えば、
これからも軍事力の脅威を、あなどってはいけないのだと思います。
新しい時代を切り開くのは、マネー経済でも軍事力でもなく、
もっと美しい人間の理想によって、紡ぎ出されるものであってほしい。

人間は、限りある命を持って存在するが故に、
その命のうちに、最高の夢を実現したいのです。
愛と信頼による絆以外に、何を求めましょうか?