相馬子孫が「国替え」呼び掛け

イメージ 1
 
放射能漏れで、避難民を出している福島第一原発ですが、
もっとも被害の大きい相馬市、浪江町双葉町を領地とした、
相馬中村藩主の子孫で、第34代当主の相馬行胤さんが、
広島県神石高原町への、移住生活を呼びかけているようです。
自分たちはすでに、家族5人で移住を済ませており、
神石高原町は過疎化のために、移住者を歓迎しているとか。

本来ならこうした移住計画は、国や東電が全責任を負い、
希望者の全てを受け入れて、新しい地域を創出すべきですが、
日本は国土が狭く、住みやすい地域は限られています。
そこで過疎化に悩む地域に移住し、新天地を求めるのは、
至極当然のことだと思いますが、国も東電も信頼できません。
そこでまさかの、旧相馬藩主の子孫が呼び掛けを始めたのです。

第34代当主の相馬行胤さんは、「ふるさとに戻れない人、
仕事に就けない人と一緒に、文化や郷土愛を継承していきたい」
と話していて、移住先の神石高原町牧野雄光町長も、
事故以前から、農業を活性化させる取り組みを展開しています。
「来ていただくのは大変ありがたい」と、町営住宅を提供し、
伝統行事「相馬野馬追」も、神石高原で実施したいとのこと。

すでに神石高原町の振興に携わる、NPO法人も関わって、
本格的な移住を、「国替え」として考えているようです。
国替えとは古い言葉ですが、実際に相馬家の祖先というのは、
関東から「国替え」で福島へ移った、歴史を持っており、
今回のことは、自分たちのDNAとして受け止めているようです。
この土地の人々は、権力に弄ばれる苦難を知っているのでしょう。

伝統行事「相馬野馬追」総大将を務めた、相馬行胤さんは、
この土地の歴史を背負って、将来の新しい暮らしを求めている。
こうした「国替え」の呼び掛けをして、新天地を開けるのは、
国でも東電でもなく、“何かを背負った人”なのでしょう。
ともあれ、権力利権にしがみつく政府や経済界よりも、
こうした人々の国替えが、うまく行くことを願っています。