放射能・瓦礫処理・相馬農高

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城端の大福寺で、放射能汚染に関する話があり、
僕も誘われるままに、聞きに行ってみました。
講師は齋藤歯科クリニックの、齋藤進という方で、
「真実はどこに?」と題された、お話しでは、
日本に原発が導入された経緯や、3.11での状況から、
拡散された放射線の性質など、わかりやすく話されました。

放射線の種類には、電磁放射線と粒子線があって、
今回の事故でまき散らされた、セシウムに関しては、
同じ電磁放射線でも、X線に比べて桁違いに強く、
しかも拡散した量は、広島型原爆の4倍を超える量でした。
この桁違いの放射線に対して、水の基準値で言えば、
アメリカでは 0.1まで、WHOでも 1ベクレムまでなのに、
日本では10ベクレムまで認めているのも、異常です。

齋藤さん(写真左)が、主に科学的な数値からお話しされた後で、
お話し会に参加されていた、太田さん(中央)という方からは、
高岡市の瓦礫処分受け入れが、政府の復興支援金目当てで、
実際には、もう処分すべき瓦礫など無いと話がありました。
こんなインチキな瓦礫処理を、どうして認めるのか?
そして3人目に話をされたのが、大福寺の太田住職(写真右)で、
かれはまた、まったく違った視点からの話をされました。

それは南相馬で見聞きした、現地の若者の話で、
実習農場が放射能汚染で、農作業出来なくなっているのに、
相馬農高において、113人の新入生が入って来ている事実。
彼らは県産野菜や肉の価格下落で、困惑する農家の中で、
今は勉強をして、この地方の農業を再生させたいと言っている。
こうした若い力に後押しされて、現地では新しい動きがあり、
結局人は、放射能汚染を拒否することは出来ないと言うのです。

齋藤さんは科学的な見地から、少量でも放射能は危険だと言い、
太田さんは政治的に、高岡のような瓦礫処理を不正だと指摘する。
そして大福寺の住職は、だからといって拒否は出来ないと話されて、
それぞれの思いが、どこに比重があるかによって、
同じ放射能汚染が、多様な姿を見せるのが印象的でした。
だけど僕に言わせれば、問題の根底になるのは経済成長信仰で、
原発も瓦礫処理も、経済優先の価値観からでたものなのです。

福島原発事故から、すでに2年以上が過ぎましたが、
事態は落ちつくどころか、避難民の今後は混迷を極めて、
生活のて立て直しなど、まったく見えないのが現状でしょう。
問題を解決しようとしても、根底になる思想が間違っていては、
次々に問題を起こすばかりで、何一つ解決しないのです。
僕らが自然農を始めたのは、問題を起こさないためにどうするか、
生き方を問わないと、何も解決しないとわかったからなのです。