落花生と根粒菌

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自然農で野菜を育てている時は、化学肥料はやらないし、
有機肥料であっても、不自然な大量施肥もやりません。
だけど作物を作ったあとは、作物を持ち出して食べるので、
自然環境は崩れ、どうしても養分不足が始まります。
ある程度は自然な生命活動によって、補われていますが、
それだけでは足りないので、草や枯れ葉を集めて入れます。
と同時に役に立つのが、豆類を育てた時に出る根粒菌でしょう。

もともと土壌にいる菌だそうで、それなら最初から、
豆を育てなくても、菌自体が繁殖すればよさそうなものですが、
この根粒菌は自分では栄養素が作れずに、豆に頼るのです。
こうして豆と根粒菌は、とても大切な共生関係にありますから、
僕らはそれを利用して、ナス科の野菜を作る時に使います。
ナスやトマトを栽培する時に、株間に豆を植えておくと、
根粒菌が育って、ナス科の野菜を元気にしてくれるのです。

だけど問題は、ナスやトマトの間に大豆などを植えてしまうと、
大豆の方がナスの木よりも大きくなって、邪魔をしてしまう。
そこで地上の繁殖が、ナスやトマトの成長を妨げない、
落花生がいい!と言うことで、2年前から落花生を植えています。
これがだいぶ定着してきて、今年はナスもトマトも落花生も、
ウインウインの関係で、よく育つようになったのです。
写真は落花生の葉と茎と地下茎と、根粒菌と実の様子です。

こうしてバランスよく育てれば、土も疲弊することなく、
特に強い肥料を入れる必要もないし、害虫も増えすぎない。
小さな世界でも大きな世界でも、自然のバランスを大切にして、
まったく違う方向性を持つものが、助け合っていけば、
特別なことをしなくても、強い共栄関係が出来るのです。
一方で今年は、鞍掛豆のエリアがツル科の植物で全滅したので、
来年はこの対策を、何か考えなくてはなりません。

昨年にはこれほど繁殖していなかった、蔓植物なので、
豆を植えるために草刈りをして、整地したことによって、
このキラー・ツル科の植物が、一気に繁殖したのでしょう。
とりあえず来年は、早め早めに対策を考えながら豆を植えるか、
まったく違うものを植えて、様子を見るかしてみます。
人間の強い闘争心や、敵を封じ込めるための情熱は、
自然農の枠内で使えば、時には楽しく有益なのですが・・・