「聖地をたどる旅ー熊野」

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日本の神話を考えるとき、熊野は重要な場所でしょう。
と言っても、熊野本宮大社那智の大滝は知っていても、
それ以外のことは何も知らないまま、最近になって、
南方熊楠を知って、急に興味を持つようになりました。
ちょうど日本の古神道に、関心があったことも重なって、
いわゆる古い日本の原型である、縄文文化の香る地域として、
熊野地方に、強い関心を持つようになったのです。

そんなときに、「聖地をたどる旅ー熊野」を見ると、
この地方を聖地とする、古い信仰の話がたくさん出ていて、
巨岩や巨木の持つ、自然エネルギーが重要視されていたのです。
熊野本宮大社や、熊野速玉大社、熊野那智大社と言った、
観光名所になっている、有名な神社ばかりではなく、
海岸線を歩く浜街道の沿線や、十津川村へ至る奥熊野への道、
街道筋にある名所などが、神話に合わせて紹介されている。

いつかは熊野古道を歩いてみたい、と漠然と思っていた僕は、
この本を読む内に、その希望が具体的なものとなって、
少しずつ、古道を歩いているような気分になってくるのです。
特にこの本は、テーマ別に5つの章に分けて書かれており、
第1章:熊野三山を巡るエリア
第2章:自然崇拝の源泉をたどるエリア
第3章:黄泉の国、奥熊野の自然にふれるアリア
第4章:よみがえりの道、熊野古道を歩く
第5章:よみがえりの湯・熊野の温泉
となっていて、どこから読み始めても良さそうです。

僕は熊野古道に関心があったので、第1章を読んだあとは、
第4章に飛んで、熊野古道の様子を読み進む内に、
あらためて様々なエリアに関心をもって、戻って読みました。
例えば那智大社の隣にある、青岸渡寺のことなどは、
名所として読むだけでは、あまり関心を持てなかったのが、
熊野古道の難所、大雲取越ルートの入口と知って、
あらためて読み直すことで、身近に感じられたのです。

読み終わってみると、熊野古道にもいろいろとあって、
簡単に歩けるものから、一日掛かりのルートまで、
この本では、素人に歩ける程度のものが書かれていました。
また本の至るところで、巨岩との心の通じ合わせ方とか、
巨木と触れあって、感じ取るものの大切さとかも書かれており、
スピリチュアル・パワーの地としても、興味深い内容です。
温泉や祭りの情報も、行く気をそそらせるものでした。
 
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