資本主義による世界戦争

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今世界中で起きている対立とは、何と何が対立しているのか?
「社会正義」VS「テロリズム」などという、わかりやすいものではなく、
自由主義国家」VS「共産主義国家」でもなく、あえて言えば、
「金融資本主義」VS「人間的な暮らし」とでも言えるかも知れない。
そのくらい、今まで対立軸でなかったものが対立しているのです。

スペインでは、金融経済が破綻しているかに見せられながら、
政府はどこまでも、責任を明確化させようとするドイツの提案を退け、
あくまでも銀行への援助とする、フランスの提案に擦り寄っている。
このフランスの提案を後ろ盾しているのが、IMFであり、
IMFの会長は、元サルコジ政権の閣僚クリスティーヌ・ラガルデで、
欧州中央銀行の会長は、ゴールドマンサックスのマリオ・ドラギなのです。

ドイツを除くEU、スペイン政府、米国巨大資本、欧州金融機関は、
すべて挙って、スペイン政府の体質などを暴かれるのを拒み、
むしろあやふやなままに、銀行に対する救済をスペイン救済としたい。
それはすなわち、危機の原因を暴かれないようにしながら、
国民をさらなる貧富の差に陥れる構造を、確立したがっているようで、
これが現実であれば、この経済危機はすでに全面戦争状態なのです。

同じように日本では、TPPを使うことによって戦争を仕掛けられ、
国家主権よりも企業権益を優先させることで、日本の主権を踏みにじる。
一度この条約が発効すれば、アメリカは合法的に日本を従属させ、
世界中で行われている経済戦争の、日本版が実行されてしまうでしょう。
国家ではなく、世界中を牛耳る資本家による資本主義が仕掛ける、
全く新しい姿の戦争が、日本にも仕掛けられていると言えます。

2007年にリーマンブラザーズが倒産して、アメリカ経済が危機を迎え、
ゴールドマンサッ クス、JPモルガン・チェイスバンクオブアメリカ
シ ティグループと言った巨大資本は、ますます膨らんだことをみても、
世界の巨大資本主義が、戦争準備を整えて世界中に戦争を仕掛けたのです。
スペインの経済危機や、日本のTPPをそのように理解すれば、
多くの見えなかったものが、見えてくるのがわかります。

この危機を救うには、つまり資本主義に仕掛けられた戦争に勝つには、
増税や景気浮揚策などいくらやっても、まして金融機関をいくら助けても、
まったく役に立たないことは、それが彼らの戦略に乗ることだからです。
この戦争に勝つための大きなヒントは、シンクタンクFAESによる、
「2012 年ラテンアメリカの自由化アジェンダ」の基調演説に示された、
資本家の略奪の自由を抑えて、下層階級の生活と教育の向上を図ることです。

金融を拡大させることで、経済が豊かになったかのように見せかける、
不実な経済社会に身を任せるのではなく、金持ちには金を使わせ、
知恵のある者には智恵を使わせ、豊かな社会の理想を実際に実行させる。
世界を一部の資本家に売り渡すのではなく、お金ではない価値を認め、
あらゆる人々の生活を守る、新しい時代の戦略が必要なのです。