古代米の実り

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田んぼは実りの秋を迎え、見ての通りの艶やかさです。
写真は手前から順に、ミドリ米、赤餅米、赤米、野毛赤米。
隣の田んぼでは、香り米、黒米、韓黒米が実っています。
赤餅米と黒米が、もう一週間ほどで収穫時期になるでしょう。
手前のミドリ米は一番最後なので、まだ花が残っている状態です。
これが収穫できるのは、あと一ヶ月以上先になるでしょう。

米はありがたいもので、基本的には苗を育てて田植えをすれば、
あとは草の手入れをして水管理するだけで、ちゃんと育ってくれる。
それを肥料など入れたり、耕したりすれば土地が疲弊して、
毎年肥料と田起こしが、不可欠になってきてしまいます。
もちろん除草剤などもってのほかだし、殺虫剤も必要ないので、
いわゆる農薬などは、何も使わない方が健康な田んぼになります。

様々な虫や草の死骸が積み重なって、亡骸の層が出来れば、
それが基礎肥料になりますから、あとは水だけで稲は育つのです。
自然に生える草を刈って、そのまま田んぼに寝かせておけば、
月日と共に肥料になって、毎年豊かさが増していくので、
それまで数年は、辛抱強く土と草と付き合うほかありません。
種籾も自然農の稲から取ったものですから、その土地に強くなり、
その土地の気候や土壌に合わせた、体力が備わってくるのです。

古くから変わらずに、こうして育てられたお米は美味しくて、
栄養価も高く、そのまま玄米で食べると過不足なく養分になる。
自然の恵みこそ、あらゆる生き物の心身を健康に保ってくれるのに、
様々な農薬や肥料で、米を人工的に太らせたり草を無くしたり、
そんな田んぼで取れる米は、なんだか不健康な要素を持ち込んでいる。
不自然のものを食べて暮らせば、不健全な人になってしまうから、
現代人は誰しもが病気を抱えながら、生きているのでしょうか。

自然のあるがままに、実りをいただいて食べていれば、
それ以上の健康なんてないのだから、病気になっても諦めがつく。
そんな気になってもう11年になりますが、漠然とした希望は、
いつのまにか確信になって、少しずつ自然農仲間も増えてきています。
だけどもちろん、今でも圧倒的多数の人は理解してくれません。
草があれば刈るように言うし、農薬を使わないと害虫が出ると言う。

もちろん自然農にして最初の年は、たくさんの収穫は出来ません。
それでも次の年に引き継ぐ分の収穫は出来るし、少しずつ土は生き返り、
3年後には多少の肥料で、ある程度の収穫が見込めるようになります。
5年後にはほぼ無肥料でも、しっかり稲穂が頭を垂れるようになる。
あとはもう欲張らなければ、毎年一定の米が収穫できるようになるのです。
しかも農薬に汚されず、肥料で偏った米ではない収穫が出来るのです。

機械に頼らず、薬品に頼らず、資本に頼らない自然農は、
自然環境や社会環境を壊さない、サステナブルな生活を作る。
それが世界から差別を無くし、どこにも誰にもしわ寄せを作らない、
すべての人が助け合って生きる、平和な未来を作るでしょう。