利権優先の国

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福島原発行動隊」のメンバーたち
 
福島原発事故から一年以上が過ぎて、今何が起きているのか?
僕らは新聞テレビのマスコミを見ていると、まったくわからない、
核を巡る利権戦が起きているとしか思えない、醜い実体があるのです。
そもそもいったんは原発0を打ち出した政府が、閣議決定できず、
おちゃらけた言い訳をして、また原発稼働の可能性を言いだしたのは、
いったいどこから横やりが入って、それを跳ね返せなかったのか?

東電の福島原発事故に関して言えば、若い人に被曝させたくない!
と言う切なる想いから、高齢の原発技術者など有志が集まって、
福島原発行動隊」を結成し、復旧活動に対応しようと立ち上がった。
ところがこうした動きは、大きな利権の壁が前に立ちはだかって、
何もさせてもらえないまま、素人の下請けが復旧工事をしています。
これでは復旧作業の効率は悪く、遅れるのは当然でしょう。

ところがこれは悪い冗談ではなく、700人もの高齢技術者が、
自分たちが復旧作業に携わろうと申し出ているのに、東電も政府も、
この申し入れにまったく聞く耳を持たず、無視し続けているのです。
なぜそんなことが起きるかと言えば、東京電力自体が自分では、
何も出来ないので、下請け業者に実作業を任せるしか方法がない。
その下請け業者も自分では何も出来ずに、さらに下請けに任せている。

この結果として現在の福島原発復旧作業だけで、400社が関わり、
それぞれの利権を決して手放さないために、利権だけが喰われている。
つまり何か一つ作業するにも、何重もの途中利権が喰い物にされ、
復旧大臣と言えども、どこから手直しできるかわからないらしいのです。
これが日本の技術の粋を集めた原発だとは、笑うしかありませんが、
どさくさ紛れにわけのわからない企業が、実権を握って手放しません。

また経団連の米倉会長など、経済界の人たちが異議を唱えれば、
政府が立てた原発0の方針は、3日も持たずひっくり返されてしまう。
こうした現実こそ、日本がいかに経済重視の政治不在かがわかりますし、
目先の利益のためなら、将来などどうでもいい国なんだとわかります。
政治家が何を言おうとも、お金にならなければ支持されない、
国民の期待が何だろうと、経済不利益なことは何も出来ない国なのです。

経済界のトップから下請けの末端まで、利権に住み着く虫たちは、
決して住処を手放さないように、利権を主張して利益を吸い続けます。
この構造をどうやって解体できるか、政治家は誰も何も言いません。
景気回復だ尖閣だと言って、本質的な問題から注意を逸らすばかりで、
そのどさくさに新しい党首や総裁を選んで、これが日本の首相だなんて、
国民はどこまでマスコミに踊らされて、バカにされているのでしょうか?