「超訳・易経」

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竹村亜希子さんの「超訳易経」を読んでみました。
ちょうど数日ほど前に、易を学んでいる友人から、
数人で、易の概要を教えてもらったところだったので、
基礎的な知識はありましたから、すらすらと読めました。
易は独特の専門用語があるので、まずこれを知らないと、
なかなかスムーズには、読み進めないかも知れません。

この本は、副題に「自分らしく生きるためのヒント」とあり、
易経の全体像を記した第2章は、難しい話になるので、
第3章以降を先に読み、この章はあとで読むことを勧めています。
確かに第2章には、易経の歴史的成り立ちの話や、陰陽の話、
八卦、六十四卦の全体像、卦辞(かじ)、爻辞(こうじ)など、
その意味がわかれば、易経のおよそのことはわかるほど、
大切なことは、第2章に書いてあると言っていいでしょう。

それでは第3章以降には、何が書いてあるかと言えば、
六十四卦それぞれの、具体的な意味と読み解き方が書いてあり、
こちらを先に読めば、易そのものの世界に入っていけます。
たとえば具体的に、陰陽の消長をあらわす十二消長卦説明で、
4月の乾為天から始まって、5月、6月、・・・・と示し、
翌3月の沢天夬まで、物事が成長して事が成る様子を示すとか、
乾為天そのものが、龍の6段階で説明されたりしています。

このように文章で書いていると、やたら難しそうですが、
ここに易経独特の記号があって、これを使うとわかりやすい。
それは皆さんご存知の、陰と陽の棒を3本組み合わせたもので、
ワープロでは打ち出せませんが、本では使われているので、
これを見れば、直感的にわかるものがたくさんあります。
棒一本の陽は男性器で、破断した棒は女性器を表すとされ、
あらゆるものを陰か陽かに分けて考えるのも、特徴的です。

第4章、第5章は、具体的な六十四卦の読み解き方で、
ここでは同じ一つの卦を読むにも、単純化しないことが大切で、
基本は基本として押さえた上で、その先をどう切り開くかが、
それぞれ教訓を交えながら、丁寧に解説されています。
全体として伝わってくることは、自然に沿う事の大切さで、
ここに至って、易経は自然を説いているとわかるのですが、
人の生き方を自然に沿って考えるには、やっぱり難しい。

そこでこの易経のように、あらゆる現象を六十四卦に込めて、
人生全体を鳥瞰するかのように見詰める、ノウハウが登場する。
その全体像から、個々のケースにまで話を呼吸させるのが、
この本の趣旨とわかれば、小さな新書版ではありますが、
読み応えもあり、読後の広がりもある興味深い本なのです。
身近に置いて、時々開いてみたい一冊だと思いました。
 
 
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