草花が育つ田んぼ♪

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僕らの自然農では、田んぼの中に苗床を作って種をおろし、
そこで育った稲苗を使って、田植えをして育てます。
もちろん種籾は、前年の稲から自家採種したものなので、
すでに何代ものあいだ、無農薬で無化学肥料栽培です。
さらに田んぼの土が、自然農の循環で肥えてきていますから、
この数年は、米ぬかや油かすさえほとんど田んぼには入れません。
せいぜい収穫後の藁や籾を、田んぼに戻してやるだけです。

すると稲だけでなく、草もおおいに育ってきますから、
ご覧の通り、苗床の回りは草が生い茂っているし、
優良な肥料となるレンゲも、すくすくと成長しているのです。
この草花は、自然であればあたりまえの風景なのですが、
現代農業の田んぼでは、土が農薬で疲弊しているので、
たとえレンゲの種を撒いておいても、こんな風には育ちません。
比較のために、新しく始めた田んぼを見せれば良かったのですが、
そこはわずかに草だけで、レンゲはほとんどダメでした。

多収穫を目指す農業は、大量の農薬と肥料と機械を投入して、
その経費を賄うために、さらに多くの収穫を必要とします。
そうして作られた米は、安い市場価格では採算が合わないので、
様々な名目で補助が行われ、農家はなんとか生計を保っています。
だけどそれは大規模農家だけで、小規模な農業には補助もなく、
生計を立てるために、半農半○の生活をしている農家が多いのです。
農的暮らしを望む人が増えていても、生計が成り立たなければ、
実際に農的暮らしをするのは、とても難しいことになります。

だけど自然農は不思議なもので、生き方を変えてしまえば、
今まで必要だと思い込まされていたお金は、さほど必要なくて、
むしろ土地や自然や人の繋がりが大切だと、身をもってわかります。
少しでも多くのお金を手に入れないと、不安に思われた生活が、
この土地の豊かさによって、現金収入が少なくても不安でなくなる。
さらには作物や山菜や、卵や魚をどのように使うかによって、
豊かさは増していくだけで、貧しくなることはないのです。

この豊かさの証を守ることこそ、環境保護の一番の目的でしょうが、
化学物質や放射能によって、人が手を入れないと米が出来ないなんて、
そんな貧しい農業にしたことが、大きな間違いだったと思います。
現代社会は、目先利益のために次々に問題を起こすことをやっておき、
その問題解決に、膨大な人智と費用を掛けているのが実情ですが、
自然農の最大の特徴は、問題を起こさない生き方をするってことです。
この違いを理解することが、自然農を実践する意味となるでしょう。