「うまれる」

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先日は射水市の「ふれあい会館」へ出掛けていって、
以前から関心のあった映画「うまれる」を観てきました。
自主上映の会場は、アットホームな雰囲気で、
館内には手作り小物販売や、ワークショップがあり、
ママさんタイムの上映会だったので、小さな子どもが、
騒いでいる環境でしたが、苦にならずに鑑賞できました。

映画の内容は、4組の男女と出産にまつわる話で、
1、両親の不仲、虐待の経験から親になることを戸惑う夫婦。
2、完治しない障害を持つ子を産んで育てる夫婦。
3、出産予定日に我が子を失った夫婦。
4、子を望んだものの授からない人生を受け入れた夫婦。
この4組の夫婦の様子が、ドキュメンタリーで描かれた作品です。

誰しも、順風満帆な人生を送れるわけではないのですが、
それでも僕らは、ここにこうして奇跡的に生きているのに、
どちらかと言えば、喜びよりも不満を感じていることが多い。
そんなときに、生きている始まりであるところの、
「うまれる」とは何だったのか、考えてみる映画で、
それぞれの悩みが、人生とは何かを浮き上がらせてくれます。

4つのエピソードは、それぞれに感想はあるのですが、
自分が彼らの立場だったら、と考えてしまうと、
うっかり感想など書けない重みを感じ、発言は出来ません。
それぞれの痛みは、喜びと紙一重のところにあって、
まるで痛みがなければ喜びなどないような、
いやたぶん、実際にそうなのだろうと思わされます。

人間ほど出産を苦しみ、痛みを伴う生き物は他になくて、
だけどその分、大きな喜びや感動を味わうのも人間だけで、
この苦悩や痛みなくしては、真の喜びなど無さそうなのです。
男女の愛こそは、すべての愛の始まりのようで、
それぞれの男女には、それぞれの試練と愛が待っている。
あたりまえなのに、圧倒的な事実の大きさに驚きます。

今回この上映会を企画された、まりなさん自身、
妊娠8ヶ月で、息子を死産された経験を持つ人です。
どうして自分がこんな目にあったのか、意味がわからず、
苦悶する中でこの映画を観たいと思い、上映会を企画され、
周囲の人たちが応援して、実現にこぎ着けたようです。
そして大勢の人が、いのちの大切さをシェアしに来たのでしょう。

映画が少しずつ、コミュニケーションツールになっていく!
そんな新しい時代が、広がってきたような気がします。