富山自然農を学ぶ会・春例会

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2002年に自然農を始めてから、今年で10年になりますが、
ここで知り合った人たちは、自然農がどうのこうのと言う以上に、
人間として信頼できる人が多いので、続いている気がします。
と言っても、富山県内には3箇所の「学びの場」があって、
全員が一堂に会することは、春の全員例会をのぞいては、
年に何度か催される、石黒家田畑の見学会くらいでしょうか。

そうそう、芋煮会とか餅つきとかにも大勢集まってきますが、
それは僕を含めて、美味しいものを食べたいからなんでしょう。
石黒家には電気もガスも電話線もないけど、生活に不自由はなくて、
むしろ電気器具がないことで、気持ちの良い静けさがあるのです。
そこで大勢が集まって食べる、文子さんの手料理は最高に美味しくて、
これを目当てに来る人が多いのは、仕方のないことでしょう。

食材はもちろん、石黒家で取れた自然農の米や野菜が中心で、
長男が漁師になってからは、魚も美味しいものがふんだんにある。
なんだか理想の家族って気もしますが、CMには出ませんから、
知る人ぞ知る、風変わりな家族としても有名なようです。
こうした家族と付き合いがあると、テレビに出てくる人たちが、
いかにみんな同じお金の亡者かがわかるし、味わいがありません。

こんな記事を書くと、いつも決まって言われるのは、
自分たちだけ明治の世界に戻っても、多くの人は救われない!
と言うような、頭の硬直した発想の貧弱な反応でしょう。
企業ベースのCMに乗せられて、必要ないものまで買わされ、
いくらお金を使っても、足りないものばかりが目立つ消費社会で、
人々はどれほど自然界をぶち壊してきたか、少しは反省して欲しい。

このアメリカ型の大量消費社会が、持続不可能なものだから、
世界中で、持続可能な社会モデルの必要性が叫ばれているのです。
問題を起こさない生き方としての自然農は、時代の要請であり、
さらに人々を幸せに導く、確たる手法を身につけているものです。
しかしながら、いまだに多くの人たちは大量消費中毒で、
お金がないと幸せになれないと、思い込んでいるから厄介です。

自然農に関心を持って、新たに顔を出すようになる多くの若者は、
まずこの、お金としての生活費をどう工面するかに悩まされる。
僕自身だってこの10年間、お金に余裕があったことは一度もないし、
お金がないと参加できないようなものは、少しずつ遠ざかりました。
住居に関しては、親が残した古い一軒家があるので助かっていますが、
これからは日本中のいたるところに、空き家が増えるでしょう。

日本は長い間頑張って、もう十分に豊かな国なのですから、
次に目指すべきは、持続可能な社会のモデルを作ることでしょう。
太陽光や風力、小水力、バイオ、地熱、地下水、海流などを使えば、
日本は世界でも有数な自然エネルギー大国でもあり、これからは、
循環型社会のモデル地域となって、これを世界に輸出すれば、
世界を破滅的な大量消費から救い、明るい未来を開けるのです。