ブータンへ

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僕が大切に思っている女性が、ブータンへ行きました。
全8日の日程で、ブータン滞在は6日間ほどですが、
単なるツアーではなく、辻信一さんが企画されたもので、
毎日一度は、現地文化や環境に関するお話しや交流会がある。
ブータンの事は、国民総幸福度で有名になりましたが、
具体的にどんな国造りか、わからない面もあります。
それを直接見ることで、何かを感じ取って欲しいと思い、
僕もブータン行きには賛成した経緯があります。

彼女のブータン行きが決まってから、僕も少し勉強すると、
漠然と思っていた以上に、興味深いことがたくさんありました。
たとえば、家畜やペットを繋いでおく習慣がないので、
犬も牛も自由にその辺を歩いていて、勝手に家に帰っていく。
こうしたいのちあるものを、誰かの所有物として管理し、
動物に対する危害を、所有物の破損として扱う国とは、
いのちに対する思想が、まったく違うと知る必要があります。
いのちあるものは、いのちの限りに自由でしかないのです。

また電気を導入するかどうかの議論でも、日本とは違い、
空中に電線を引くと、鳥が迷惑するとの理由で反対し、
どうしても必要な場所では、電線を地下に通すのだそうです。
これも日本では、便利であることが金科玉条となっていて、
同じいのちを持つ鳥の迷惑など、考えないのが当たりまえです。
利便性を最優先にまちづくりをすれば、膨大な電力を必要として、
一度事故が起きれば、まち全体を滅ぼすような思想とは、
あまりにも大きな違いがある、と言わなければなりません。

さらにブータンでは、道路に信号機というものがないとのこと。
これは最初に信号機が導入されたとき、当事の国王が、
こんな醜いものは、ブータンに相応しくないと言って撤去し、
それ以来交通整理が必要な場所では、警官が裁いているそうです。
こうした話を聞くに付けて、なるほどそこまで徹底しなければ、
ずるずると利便性の麻薬中毒になってしまうことが、避けられない。
さらに日本のように、利権がらみで政治が動く社会では、
こんな理想で国造りをすることは、あまりにも難しいでしょう。

自然農が必然的に望んでいる、お金優先でない社会とは、
その目指すところとして、ブータンのような姿があるはずで、
男女や家族の在り方も、日本とは違うかも知れません。
心の素直な彼女がブータンで何を感じ、何を持ち帰って来るか、
帰ってきてどんな話をするのか、今から楽しみにしています。
去年から今年に掛けて、新しい流れが大きくうねり始めていますが、
また同じように、経済拡大のためには何でもする人たちも多い。
何度でも繰り返し、人間としてどう生きるかを考え続けたいですね!